「高齢者の貧困率が高い国ランキング」がOECDのデータからまとまり、日本が7位であることが分かった。アジア圏では韓国の4位に次いで高い位置だ。

OECDの2014年のデータに基づいて、加盟国の65歳以上の高齢者の所得を比較したもの。米国や英国、オーストラリアなどの経済大国が数多くランクインしている。

高齢化と共に深刻化する貧困問題の要因の一つとして、低所得層の増加や不十分な年金支給額が挙げられている。

高齢者の貧困率が高い20カ国

20位 スウェーデン
19位 オーストリア
18位 カナダ
17位 アイルランド
16位 スペイン
15位 フランス
14位 イタリア
13位 ラトビア
12位 スイス
11位 ニュージーランド

10位 英国
9位 ポルトガル
8位 オーストラリア
7位 日本
6位 トルコ
5位 イスラエル
4位 韓国
3位 米国
2位 チリ
1位 メキシコ

韓国は高齢者の貧困率、貧困度が最も深刻

高齢化社会に伴い、貧困層も拡大傾向にある。日本の高齢貧困層の割合は約35%。 加盟国の高齢貧困平均値(約30%)を上回っている。ドイツ(23位)を含むほかの経済大国も例外ではない。

高齢貧困率が比較的低いのはチェコ、スロバキア、ノルウェー、デンマーク、アイスランドなど、小規模な国ばかりだ。これらの国では貧困の深さもそれほど深刻化していない。
貧困の深さを測る目的で、生活に必要な最低限の収入を示す「貧困線」と高齢層の所得を比較した場合、貧困率、貧困の深さともに目立つのは韓国だ。約半数が貧困生活を送っており、貧困線を60%下回っている。

報告書では高齢貧困率上昇の原因の一つとして、年金による支給額の差が挙げられている。加盟国の純所得代替率(平均賃金に対する公的年金の受取額の水準)の平均値が74%(2015年データ)であるのに対し、日本や米国、英国、メキシコを含む10カ国では60%以下。

多くの国・地域で低所得層は一生涯懸命に働き続けても、定年後快適な生活を送る上で十分な年金を得ていない。この差が最も大きいのはインドネシア(14%)と南アフリカ(22%)だ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)