「掛け捨て保険」と「積み立て保険」どっちがおトク?
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橋詰:マネークリニック
篠原:「次の方どうぞ」
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橋詰: マネークリニック「次の方どうぞ」。このコーナーではリスナーから著名人まで、皆さまからお寄せいただいたお金に関する悩み事に、具体的にわかりやすくお答えしていきます。さて番組も4週目に突入しましたので、いろいろとリスナーのみなさんから、お金に関するお悩み、届きはじめております。今日はですね、そのなかでも保険に関するお悩み。
篠原: 生命保険。
橋詰: これはねー、けっこうそれぞれ皆さんあるんじゃないかと思いますけど、大阪市大正区にお住まいの28歳の女性の方です。お若い方ですね。自営業、アパレルということですね。独身の方です。「去年から自営業で、アパレル関係の仕事をしています。自営業なんだから、保険くらいはちゃんと入っておいたほうがいいよと、親や友人からよく言われるのですが、掛け捨て保険と積み立て保険、どちらがいいのでしょうか?」。これは私も聞きたいです。
篠原: なるほど。
橋詰: どっちがいいのか。私は実は掛け捨てでやってはいないんですけどね。
篠原: やってないんですか。
橋詰: ええ。3つほど入っているんですけど。
篠原: 3つほど入っているんですね。
橋詰: 多いですかね。
篠原: いやいや。種類がいろいろあるじゃないですか。
橋詰: 私の場合は、まず学資保険。
篠原: 学資保険、お子さんのね。双子さんがおられますから。
橋詰: それから終身保険ひとつ。
篠原: 死亡保険というやつですね、いわゆる。
橋詰: それから年金型の保険。
篠原: 自分の将来の、老後の財布に入れてると。すばらしいじゃないですか、けど。
橋詰: バランスとれてるでしょ?
篠原: ねえ、振り分け方が。
橋詰: いろいろ考えたんですよ。
篠原: そうなんですか。なるほど、なるほど。保険ってね、ほんとにこの方が、何の保険に悩まれてるかって、ちょっとわかんないんですが、大きく分けて、先ほど橋詰さんが言っていただいたように、死亡。この死亡もですね、2つあるんですよ。
橋詰: ああ、種類があるんですね。
篠原: 終身保険。今入っておられるやつですね、橋詰さんが。終身保険っていうのと、定期保険、この2つがあるんですね。この2つを先に説明しますと、終身保険というのは、読んで字のごとく、終身、亡くなったら出しまっせというやつです。人は絶対にね。
橋詰: いつかは亡くなりますから。
篠原: 1回は。
橋詰: (笑)2回死ぬ人もいるのかなあ。
篠原: 橋詰さんは120まで生きる。
橋詰: ええ、まだずいぶんありますね。
篠原: ありますからね。亡くなったら絶対にもらえる保険です。定期保険というのは、期間が決まってるんです。たとえば30歳の方が70歳までの間に亡くなったら、死亡保険としてもらえますよと。その代わり、亡くならなかったら、その言い方よくないな、朝から。亡くならなかったらっておかしいですね。70歳までは掛け捨てですよっていうことなんですけど。
橋詰: これはずばり、この方は掛け捨てか積み立てかで悩まれているんですが、どっちがいいですか?
篠原: ずばり、掛け捨てです。
橋詰: うわー!そうですか!あー、私は掛け捨てやってないですけど。そうですか、掛け捨てですか。これ、どうしてですか?
篠原: クイズのパネラーじゃないんですから。
橋詰: いやー、だって、これクイズより深刻ですよ。
篠原: (笑)そりゃそうですね。
橋詰: お金ですもん、自分の。遊びじゃないんですよ。
篠原: (笑)そりゃそうですね。
橋詰: これはどうしてですか?
篠原: 僕の持論なんですよ。もちろん、保険の相談多いです。この質問も多いです。
橋詰: やっぱりそうですか。
篠原: 積み立てがいいか、掛け捨てがいいか、どちらですかというのが多いんですけれども。そもそもね、橋詰さんが今入られている保険の話のほうが、たぶんわかりやすいと思いますので。
橋詰: ああ、じゃあ、私を例にしましょうか。
篠原: ですよね。終身保険、まあ死亡保険ですよね。そもそもなんで入ろうと。なぜ入ろうかっていう動機がいるんですよ。
橋詰: 動機。私の場合は、別に保険の補償の内容で選んだわけじゃないんですよ、実は。
篠原: たとえば1000万、亡くなったら保険金が入るとかいうことじゃなく。
橋詰: じゃなくて、定期預金の利率を考えると、こっちのほうがいいかな?保険に入るほうがまだいいかな?くらいのかんじで。
篠原: なるほど、なるほど。
橋詰: 貯金目的ですよね。
篠原: 貯金目的で。
橋詰: 貯蓄型のものを選んでます。
篠原: なるほど、なるほど。将来これだけ戻ってくるという形で入っていると。
橋詰: 貯金感覚。
篠原: 貯金感覚で。なるほどですね。不正解!
橋詰: うわー!
篠原: いやいや、パネラーじゃないんですから(笑)。
橋詰: 2連敗。そうですか。なんでですか?
篠原: 基本的にですね、掛け捨てっていうのは、終身保険も定期保険もどっちも掛け捨て部分があるんですよ。終身保険というのは、その上に貯蓄の部分が乗っかってるとイメージしといてください。なので、保険料がどっちが高いかって言ったら、どちらですか?
橋詰: えーと、積み立て?
篠原: 積み立ての部分ですね。終身保険と定期保険やったら終身保険のほうが高いんですね、保険料が。積み立ての部分が乗っかってるから。で、言葉ではイメージできないというのもありますよね。じゃあ、ちょっと計算しましょうか、今日は。
橋詰: お得意の。電卓でお願いします。
篠原: これは橋詰さんにやってもらいましょうか。せっかくなので。
橋詰: はい。
篠原: 橋詰さん、でんたくー!持ってきましたんで。
橋詰: 私の電卓が、これは。ありがとうございます。すごく普通の電卓ですね。
篠原: シンプルでしょ(笑)。
橋詰: 白い、スマホよりちょっと大きいくらいのね。
篠原: これ、自分でたたくって、けっこう大事なんですよ。保険って。
橋詰: そうですか。
篠原: 言いなりになるんではなくて、自分でちょっと計算する。これリスナーさんの方も今一緒に計算していただいたら。
橋詰: 指の感触で。
篠原: たとえば2000万円の、それたたかなくていい。
橋詰: あ、いいですか?まだいい?
篠原: 2000万て……。まだ今設問ですから。ケーススタディいきますよ。2000万円の死亡保障に入るって目的があったとしましょう。亡くなったときに2000万ですよね。現在30歳としましょう。
橋詰: 30歳で入る。
篠原: みなさんも30歳で入ったとしましょう。掛け捨ての場合、毎月の保険料は月々3000円。
橋詰: 月々3000円。そろそろたたいていいですか?
篠原: まだ、たたかんです。
橋詰: 早くたたきたい。
篠原: これ、イメージね。みなさんも覚えておいてくださいね、月々3000円。で、60歳まで保障があると。掛け捨てですからね。終身保険。さっき言ってた積み立て保険。これが毎月2万3000円保険料。
橋詰: 毎月2万3000円、高いですねー。
篠原: 確実にもらえます、2000万円。ですよね。考えているのはゴールまで行ったら、貯蓄になったな、やったーっていうことなんですけども、ただ、大前提。保険って亡くなった場合、やっぱり路頭に迷う家族のために保険金っていう目的が多いじゃないですか。やっぱり保険ってついているので。
橋詰: そもそもですよね。
篠原: では、30歳のときに入りました。20年後に亡くなってしまったとしましょう。
橋詰: 50歳で。若くして亡くなる。
篠原: 亡くなる。そうすると、では掛け捨て保険の方、いくら保険料を払ったか、ちょっと計算してみてください。
橋詰: 20年間ということですよね。月々3000円かける12カ月。
篠原: 12かけましたね。
橋詰: かける20ですね。
篠原: いくらになりました?
橋詰: 72万?
篠原: はい、正解です。72万円、今まで払って、残された遺族の方は、2000万円の保険金が入るわけです。
橋詰: 手に入る。
篠原: では、一方終身保険に入っていたBさんは。
橋詰: 2万3000円、月々払ってますね。
篠原: 2万3000円払ってた。そして同じ50歳で亡くなった場合、いくら払ったでしょう。
橋詰: 2万3000円かける12かける、20年でいいんですね。20年は。
篠原: いいですね。目が真剣ですね。
橋詰: あははは!
篠原: 電卓たたく目が…。
掛け捨て保険:3000×12×20=72万円
終身保険:23000×12×20=552万円
橋詰: えらい金額に!552万?
篠原: 552万円。
橋詰: え? これほんとに?
篠原: 合ってます。
橋詰: こんなに違いますか?
篠原: その差額はいくらですか? 「552万円ー72万円=480万円」の差額があるんですね。っていうことですよね。
橋詰: そうですね、差額。でもこんなん、全然違いますよね。
篠原: 全然違います。
橋詰: だから、掛け捨ての場合は、72万円で2000万円を手にしている。
篠原: 手にしている、残された遺族の方がですね。
橋詰: 一方。
篠原: Bさん。
橋詰: 552万払って2000万、ようやく手にした。これやったら掛け捨てのほうが、目に見えてお得ですね。
篠原: そうなんです。
橋詰: でもこれは亡くなった場合ですよね。
篠原: そうなんです。なので、たとえば、掛け捨てと終身保険の保険料の毎月の違いっていくらですか?2万3000円と3000円なので、2万円じゃないですか。
橋詰: はい。ちょうど2万ですね。
篠原: 2万3000円払える方は、僕の考えでは、2万円を貯蓄してたらいいと思うんですよ、毎月毎月。
橋詰: あー。だから3000円の保険料で
篠原: 払って、保障を購入して。
橋詰: 2万円を自分で貯金する。
篠原: 貯金する。そうすると20年後いくらになってます?
橋詰: いくらだろう。
篠原: 2万円かける12かける20年なので、480万円口座に入っているんですよね。
橋詰: 480万円。
篠原: 貯金してた場合。ということは、残された遺族の方は、その貯金と2000万円が手に入るということです。
橋詰: 2480万円。
篠原: ということです。
橋詰: うわー。これ、すごい計算ですね。
篠原: そうなんですね。
橋詰: そっか。まあ、早く亡くなることを前提に考えると、だいぶ掛け捨てのほうがお得ですね。これ、もう少し長く生きたらどうなります?60歳、70歳まで。
篠原: お得というか、60までいって引き出した場合は、それまで運用してくれてたりとか、保険会社がね。たとえばその部分があるので、銀行に入れとくよりは、そこで解約した場合、自分が払っているよりも多く戻ってくるケースももちろんあるんですね。一長一短なんですよ。ただ、保険というのは、なんのために入るかって言ったら、要は亡くなるために入るっていうのが、僕の考え方なんですね。いわゆるリスクがあったときの場合のときなので、保障しか買わないと。貯蓄は貯蓄、投資は投資、保険は保険ということなので、答えは掛け捨て。
▶「笑って役だつマネークリニック」の過去記事は こちら