株価が上昇する銘柄を選びたい人に注目していただきたいのが、「出来高の増加」である。通常あまり注目されることはないが、出来高は株取引がされたという「過去の事実」であるためごまかしが効かない。客観的事実に基づく銘柄選定は主観的な内容によるものよりはその精度が高くなる。

例えば、

【A】ある有名評論家が「○○(企業名)」は良い企業だと言った

【B】○○社の株価が決算に反応して出来高増加して上昇した

Aの選択肢を参考に株取引をしているのであれば、株取引もなかなか成功に結びつかないだろう。一方で事実に基づいた認識のもとBの選択肢を選ぶのであれば、株取引の成果は向上していくことが予想される。

ここでは株が人気化し株価上昇する銘柄探しの基準として「出来高」に着目することをお伝えしたい。実際に大幅上昇する株式には、出来高増加が重要な役割をしていることがわかるはずだ。

出来高は人気銘柄を知るための道標

大化け銘柄
(写真=PIXTA)

出来高はある金融商品が取引された際にできる取引量のことである。ある株式が1000株売りに出たとして、それを誰かが買うと1000株の出来高が発生する。

売り手と買い手の間で取引が成立しないと出来高は発生せず、事実、人気のない企業の銘柄は1日を通して出来高がゼロの時もある。買い手や売り手はいるものの、その反対売買をする相手が現れないのである。

一方で、出来高が数千万株を超える銘柄もあるが、このような銘柄は一般的には株価が安く、大企業である場合がほとんどである。みずほ銀行 <8411>、日立 <6501> 、野村ホールディングス <8604> などはその代表例である。

確かに上記銘柄は出来高の多い人気の銘柄ではあるものの、常に人気の銘柄であるため株価が上がりにくく下がりにくいという特徴を持つ。

株価がこれから上がる銘柄を探すには、いままでは出来高が少なかったものの直近で出来高が増えた銘柄、つまり「人気になったばかりの銘柄」を探す必要がある。

出来高の「良い増加」、「悪い増加」の見分け方