金曜日の海外時間には、一旦ドル売りが強まりましたが、米長期金利が上昇したことなどからドル円は買い戻されました。

金曜日の海外市場

(写真=PIXTA)

欧州時間序盤、米長期金利が上昇したことからドル買いが優勢となって、ドル円は113.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.1620台まで下落しました。しかし各国株価が下落する中米長期金利が伸び悩む展開となるとドル売りが強まって、ドル円は113.30円台まで下落し、ユーロドルは1.1660台まで上昇しました。

NY時間序盤までは各通貨ペアとももみ合いとなりましたが、その後再びドル売りが強まって、発表された米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想よりも弱い結果だったこともあって、ドル円は113.20円台まで下落幅を拡大し、ユーロドルは1.1670台まで上昇しました。

NY時間午後にかけて、米長期金利が上昇する一方、米国内の石油掘削リグ稼働数が増加したとの報道を受けて原油相場が急落すると、ドル買いが優勢となって、ドル円は113.40円付近まで上昇し、ユーロドルは1.1650付近まで下落しました。NY時間引けにかけては米長期金利が一段高となる中円売りが続き、ドル円は113.60円付近まで、ユーロ円は132.50円台まで上昇しました。

東京時間にはいってからは、円売りが先行しましたが日経平均が下落していることから円がやや買い戻されています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げも約67%で変わらずです。

今日の予定

今日の海外時間にはコンスタンシオ・ECB副総裁、黒田・日銀総裁の講演が予定されています。

今後の見通し

米長期金利は先週火曜日に底打ちし、金曜日には大幅に上昇して2.40%台乗せとなりました。しかしドル円は、日経平均が反落していることや、米税制改正に対する懸念が上値を抑えています。日経平均の調整がどの程度続くかはわかりませんが、米税制改正に関しては、今後両院協議会で一本化を図る中で、様々な報道が流れ為替相場に影響を与えると考えられます。ただし、上下院案ともに法人税を35%から20%へと大幅に減税することでは一致していることから、実施時期の問題はあるものの、正式に決定されれば米株式市場にとってはポジティブな材料となる見通しです。そう考えれば、タイミングは難しいですが、ドル円も114円台から115円台への動きとなると予想できます。

再びドル円買いポジション

金曜日のドル円は、木曜日の安値である113.10円付近までは下がりませんでしたが、東京時間午前の安値をやや更新して下げ止まりました。その後反発を開始したため113.35円で再びドル買い円売りのポジションを構築しました。112.90円割れに損切りを置きながら、114円台前半での利食いを目指します。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。