まとまった資金がなくても始められる上、定期的に資金の投入を繰り返していくため投資のタイミングを見計らう必要もないのが積み立て投資です。「相場が安くなっている局面でたくさん買っておき、高くなっている局面で売る(利益を確定させる)」というのが投資の基本ですが、そのタイミングを見極めるのは簡単ではありません。

相場の天井と底というものは、それなりの時間が経ってから初めて判明するものです。その点、積み立て投資は投入のタイミングが分散されているばかりか、毎回の資金は定額なので、相場が安い局面では自動的にたくさん買い付けられます。

このように、まだ余裕資金があまりないという若い世代や、投資経験がゼロもしくは浅い人たちでも実践しやすいのが積み立て投資です。2018年1月からは「つみたてNISA」という制度もスタートするので、今まで以上に有利な運用が可能となってきます。

そもそもNISAとは、投資に対する税の優遇制度

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(写真=Vladyslav Starozhylov/Shutterstock.com)

NISAは2014年から導入された制度で、正式には「少額投資非課税制度」という名称です。具体的には、年間120万円ずつ、5年間にわたって投資した場合に得られた値上がり益(譲渡益=売却益)や配当金に対して、一切税金が課せられません。

通常なら20.315%の税金が差し引かれるだけに、大きな利益が出れば出るほど、その違いは軽視できないでしょう。年明け早々から始まるのはその「積み立て版」という位置付けですが、仕組みやルールは従来のNISAと異なっており、どちらか希望の方を選択できるようになっています。

前述のように、NISAで非課税の対象となるのは最大で「年間120万円×5年間分=600万円」の投資資金です。これに対し、つみたてNISAでは年間40万円にとどまるものの、最長20年間にわたってこの非課税枠を利用でき、合計すると800万円となります。

一方、こうした非課税枠を用いて投資できる対象は、NISAが株式や投資信託などの中から希望のものを自由に選べるのに対し、つみたてNISAはさらに絞り込まれています。長期投資に適したつみたてNISA対象ファンドとして、金融庁が届け出を受理した約100本(2017年10月2日時点)の投資信託に限定されているのです。

つみたてNISAは非課税枠や投資期間、投資対象が異なる

通常のNISAとつみたてNISAの違いとしては、非課税となる投資額、非課税となる期間、選択できる投資商品の3つのポイントが挙げられます。両者に共通しているのは、日本国内に住んでいる20歳以上の人なら誰でも1人1つの専用口座を開設できることです。

すでに触れたように、通常のNISAとつみたてNISAは同時に利用できません。どちらかに絞ることになりますが、毎年変更することは可能です。

長期投資が前提だから税の優遇効果は大きい

NISAに関する説明でも指摘したように、つみたてNISAの最大のメリットは利益から税金を差し引かれないため、それだけ有利な運用を続けられることにあります。特に最長20年という長い歳月を費やす運用となるだけに、この差はトータルの成果に大きな違いをもたらすでしょう。

積み立て投資について非課税枠が設けられたことによって、今までその必要性を感じながらも腰が重かったという人たちにも、大きなきっかけを与えてくれそうです。20年間の非課税枠という優遇制度なら、将来の資産形成に向けた大事な一歩を踏み出せるでしょう。(提供:Incomepress


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