先週(11/13〜17)の東京為替市場で円は3週続伸、東京インターバンク市場の17日17時のレートは112円58銭と前々週末比99銭の円高で終えた。

米税制改革が上下院のすれ違いがありながら可決した。下院では18年中、上院では19年中と時間軸が違う。19年中だと中間選挙後になってしまう。トランプ大統領の支持率が低下し、州知事選で共和党が連続で負けた現状では執行懸念が高まってきている。また、ロシア疑惑に対して、トランプ陣営の幹部に対して関連文書の提出を命じていたと伝わったことも不透明要因だ。リスクオフの展開で、世界的に高値圏にあった株に利益確定の売りが広まり、リスクオフの円高が進むことになった。

経済指標では、米10月卸売物価が予想を上回った一方で、米11月フィラデルフィア連銀の製造業景気指数が予想を下回った。景気指標が予想を下回り、インフレ指標が予想を上回るという今までとは逆の展開だったことで、米長期債利回りが低下し日米金利差縮小で円高が進んだ。

先週は、ドルが急落、米株、日本株、原油も大きく下げるなど市場のボラティリティが上がった。マクロ系やCTAのヘッジファンドの11月決算を控えた解約売りが主因と見られる。

ヘッジファンドの動きは先週で一巡した可能性が高いと見ているが、テクニカルではドルの上値が重くなった。10日移動平均と20日移動平均がデッドクロス。前回デッドクロスしたのは7月21日で111円10銭水準の時。その後9月8日に107円30銭を付けるまで3円80銭円高になった。17日の米市場では119円台をつけているだけに今週はテクニカルに警戒だ。

先週(11/13〜17)の振り返り

為替展望
(写真=PIXTA)

13日の東京為替市場で円は反騰、17時のレートは前週末比10銭の円高の113円47銭だった。トランプ政権の税制改革懸念から日経平均が4日続落しリスクオフが進行、円に利益確定の売りが広まった。

14日の東京為替市場で円は反落、17時では前日比27銭円安の113円74銭だった。日経平均が一時150円高と反発し、ドル円も一時113円74銭をつける局面もあったが、日経が午後から下げると再び円は安値を切り下げた。ただ日中の値動きは15銭で様子見気分が強かった。ドイツの7〜9月のGDPが予想を上回ったことでユーロが急騰ドル安となったため、クロス円での円が買われた側面もあった。

15日の東京為替市場で円は反騰、17時では前日比74銭円高の113円00銭だった。日経平均が351円安と急落。リスクオフの円高でドル円も112円92銭と10月20日以来1カ月ぶりの高値をつけた。ユーロが対ドルで6日続伸したことも、クロス円で円高になる要因だった。

16日の東京為替市場で円は反落、17時では25銭円安の113円25銭だった。一時112円76銭まで円高が進んだが、日経平均が反発したことで、ドル円にも買い戻しが入った。ユーロドルも7日ぶりに反落した。

17日の東京為替市場で円は反騰、17時では67銭円高の112円58銭だった。11時半ころに米長期債利回りが低下し、ドル円が一時112円40銭まで急落した。円高を見て一時400円ほど上げていた日経平均が上げ幅を急速に縮小するきっかけとなった。一日のレンジは74銭と先週でもっとも大きかった。

先週の海外市場を振り返る

17日のNY市場でドル円は急落。一時111円95銭と約1ヶ月ぶりの111円台を付けた。引けは112円05銭。東京市場の引け112円58銭から53銭の円高だった。税制改革、ロシア疑惑などが円高の理由となっているが、それほど目新しい材料ではないとも言える。

NYダウも16日の187ドル高で落ち着いたように思われたが、17日に再び100ドル安と大きく反落した。まだまだ高値波乱が予想される展開だ。日経平均の夜間取引も2万2315円と先週末の大阪先物の引け比135円安で今週初のリスクオフムードを高めている。やはりヘッジファンドの解約売りが主因か?

今週(11/20〜24)の為替展望

今週のドル円の予想レンジは111円73銭から113円36銭を想定している。ヘッジファンドの期末のポジション調整はそろそろ終わるとみているが、まだまだ今週も波乱含み。こういう時は、まだ見えていない悪材料を内包している場合もあるので警戒が必要だ。10日移動平均と20日移動平均のデッドクロスで円の下値は重くなった。

テクニカルでサポートは100日移動平均の111円73銭。これをブレークすると完全に円高警戒感が復活する。10月16日安値の111円65銭も意識しておきたい。レジスタンスは10日移動平均の113円36線。これを抜けば20日移動平均の113円57銭。

今週のイベントは、日本では23日が勤労感謝の日。海外では22日に米FOMCとECB理事会の議事録の公開がある。23日は米国が感謝祭の祝日で休場、24日から米クリスマス商戦が始まる。24日がブラックフライデー、一年で一番小売売上が上がる日だ。27日がサイバーマンデー、ネットでクリスマスセールが始まる日だ。毎年、メディアで消費動向が報道され、小売関連銘柄が動くイベントとなることが多い。

今週の経済指標は、国内では20日に10月貿易統計、21日に10月百貨店売上、24日に9月景気動向指数がある。海外では20日に米10月景気先行指標、21日に米10月中古住宅販売、22日に米10月耐久財受注、米11月消費者信頼感指数、米11月ミシガン大学消費態度指数、ユーロ圏11月製造業PMI指数がある。

平田和生(ひらたかずお) 慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)