先週(11/20〜24)の東京為替市場で円は4週続伸、東京インターバンク市場の17日17時のレートは111円43銭と週間で1円15銭の円高で終えた。111円台前半のレベルは7月21日以来だった。

世界の株式市場が11月初旬の高値からスピード調整局面となった。NYダウは1.5%ほど高値から下げ、日経平均は6%ほど高値から下げた。商品投資顧問(CTA)系のヘッジファンドが解約と見られる大きなポジション整理を行ったことが主因だと言われている。

ヘッジファンドは株を売ると同時にドルや原油なども売ったようだ。ドル円も11月6日の114円73銭をピークに株式の調整と添うように円高トレンドになった。ヘッジファンドは11月決算が多いため、解約にともなうポジションの解消であったなら先々週末でほぼ終了したとの見方ができる。実際、先週からは世界の株式市場はリバウンド局面に入った。米国株のS&P500指数はふたたび過去最高値を更新、原油も大きくリバウンドして59ドル台と2年ぶりの高値になった。

ドル安トレンドだけがまだ戻らないのは、11月14日にドル円の5日と20日移動平均がデッドクロスしてドルの上値が重くなったことと、ユーロが急騰したためにドルが対ユーロで急落しクロス円による円高が進んだことが原因だと見ている。

23日に発表した独11月の製造業PMI(購買担当者指数)は62.5と事前予想60.4を大きく上回り14年以来の最高水準となった。24日に発表した独11月のIfo景況感指数も117.5と2ケ月連続で過去最高を更新した。世界の主要国で景気のモメンタムが一番強いのが欧州だ。ユーロ圏のテーパリング開始で利上げペースが速まる可能性が高く、ユーロドルは1.1885レベルと2ヶ月ぶりの高値を付けた。対ユーロでドルが急落したから円高が進んだ。

ユーロ高が落ち着くまでは円も対ドルでしっかりの展開となりそうだ。

先週(11/20〜24)の振り返り

為替展望
(画像=PIXTA)

20日の東京為替市場で円は続伸、17時時点でのドル円レートは前日比52銭円高の112円06銭だった。

17日のNY市場でドル円は急落し、一時111円95銭と約1ヶ月ぶりの111円台を付けた。米国の税制改革が難航しそうなこと、ロシア疑惑の再燃などでリスクオンの円高となった。メルケル首相が率いるドイツ与党の連立交渉が決裂、欧州地政学リスクが高まりユーロが売られたことも円高要因となった。ドル円は、朝方には111円89銭と10月16日以来の円高水準を付けた。

21日の東京為替市場で円は3日ぶりの反落、17時のドル円は前日比51銭円安の112円57銭だった。 地政学リスクで売られたドイツ株が反発、日経平均も154円高と反発したことから、リスクオフの円売りとなった。

22日の東京為替市場で円は反発、17時のドル円は前日比51銭円高の112円06銭だった。 米トランプ政権の執行リスクが再燃し米国債利回りが低下、日米金利差縮小の思惑が広がった。

24日の東京為替市場で円は2日続伸、17時のドル円は63銭円高の111円43銭だった。

22日発表の米10月のFOMC議事録でインフレ率が上がらないことに対する議論があったことがわかった。来年の利上げペースの鈍化による日米金利差縮小の思惑で円高が進んだ。23日に発表した独11月の製造業PMI(購買担当者指数)が予想大きく上回り14年以来の最高水準となったことでユーロが買われ、クロスレートでの円高を支援した。

先週の海外市場を振り返る

24日のNY為替市場で、独11月のIfo景況感指数が117.5と2ケ月連続で過去最高を更新、ユーロ圏のテーパリング開始で利上げペースが速まる可能性が高く、ユーロドルは1.1885レベルと2ヶ月ぶりの高値を付けた。対ユーロでドルは急落し、クロスレートで円高が進みドル円は111円60銭で引けた。もっとも東京時間の17時では111円43銭だったので、東京引け比では17銭の円安と小動きだった。

24日のNYダウは31ドル高と反発、3万3557ドルで週の商いを終えた。週間では167ドル高で3週間ぶりに上昇となった。ブラックフライデーの小売売上が好調と伝わり株式市場は堅調に推移した。S&P500は過去最高値を更新した。

NY株高、円安から日経平均の夜間取引は2万2640円、24日の大阪先物の引け比60円高と堅調な東京市場を引き継いだ。

今週(11/27〜12/1)の為替展望

今週のドル円の予想レンジは110円46銭から112円09銭のレンジを想定している。 11月14日にドル円の5日と20日移動平均がデッドクロスしてドルの上値が重くなり、22日には60日移動平均線をも割り込んだ。22日の円高でドル円のチャートは一目均衡表の雲の中に突入した。今週は雲の下限110円46銭と雲の上限112円09銭のレンジとなりそうだ。

欧州経済指標の好調でユーロ高・ドル安が円高を巻き込んだ。今週も欧米の経済指標次第で為替が動く展開となりそうだ。

今週のイベントは、日本では特にない。世界では27日が米サイバーマンデー、28日に次期FOMC議長のパウエル氏が上院公聴会出席、29日に米ベージュブックがある。

今週の経済指標は、日本では29日に10月小売業販売額、30日に鉱工業生産、12月1日に10月消費者物価指数、7〜9月法人企業統計、10月有効求人倍率、10月失業率、10月家計調査、11月新車販売がある。海外では、27日に米10月新築住宅販売、28日に11月CB消費者信頼感指数、9月S&P/ケーズシラー住宅価格指数、29日に米7〜9月GDP改定値、30日に米10月PCEコアデフレーター、ユーロ圏11月消費者物価指数、中国11月製造業PMI、12月1日米11月ISM製造業景況指数、米11月自動車販売がある。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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