国内企業の業績の好調さに後押しされるように、外食業界にも勝ち組が生まれている。一方で業績悪化の気配も見え始めている企業も出ており、外食業界の中でも明暗が分かれているようである。

最近では串カツ田中 <3547> やペッパーフードサービス <3053> のように投資家から圧倒的な支持を得る飲食系企業もあるため、どうやらこのような勝ち組飲食企業の実態を探ってみる価値がありそうだ。

そこで順調な企業業績を残している勝ち組企業と残念ながらその仲間入りを果たせなかった企業の特徴を確認することで、勝ち組企業になるために必要な要素とは何かをあぶり出してみよう。

勝ち組企業とそうでない企業の決算概要 まとめ

飲食業界
(画像=PIXTA ※画像はイメージです))

ここでは明暗分かれた企業の例として以下の4つの企業を取り上げる。

  1. 幸楽苑ホールディングス <7554>
  2. サンマルクホールディングス <3395>
  3. 日本マクドナルドホールディングス <2702>
  4. ペッパーフードサービス <3053>

1.幸楽苑ホールディングス

2017年11月10日、通期業績の下方修正を発表。異物混入問題、新規出店ペースの伸び悩みが響き第2四半期の売上高が伸び悩む。通期の最終利益は2億円の予想からマイナス6億7400万円へと修正。配当予想も20円から10円へと引き下げへ。

2.サンマルクホールディングス

2017年11月14日、通期業績の下方修正を発表。46億8800万円予想から36億7600万円へと通期の純利益予想を引き下げ。それまで好調を維持していただけに突然の下方修正に業績発表翌日には投資家からの売りが殺到した。

3.日本マクドナルドホールディングス

2017年11月8日、第3四半期業績と同時に通期業績予想の据え置きを発表。同社はすでに前回の第二四半期業績の発表時に大幅な通期業績予想の上方修正を行っているため、今回の業績発表においては進捗は好調ながらも保守的な予想を行っているとみられる。

4.ペッパーフードサービス

2017年10月30日、第3四半期業績と同時に通期業績予想の据え置きを発表。同社も前回の第二四半期業績の発表時に通期業績予想の上方修正を行っている。いきなりステーキ事業が好調で、投資家からの期待の買い資金が集中している模様。

好調を維持する外食企業は固定概念にしばられない

業績がいまのところ好調を維持する日本マクドナルドHDやペッパーフードサービスにはそれぞれ独自の顧客獲得サービスが存在している。

例えば日本マクドナルドHDが業績不振から返り咲くきっかけとなったのは、2016年夏季からのスマホゲーム「Pokemon GO 」を店舗に導入することで新規顧客を増やしたり、SNSを使って顧客参加型のイベントを展開したことによる。

またペッパーフードサービスの提供する「いきなりステーキ」では立ち食いで、かつ顧客が量り売りで食べる量を決めることができるというサービスがある。これは既存のステーキ店の常識を覆す特徴でありメディアによる注目を浴びやすい。

両社はともにSNSを利用した集客や話題性を広告に有効活用するなど顧客に自社店舗へ足を運んでもらうことに成功しているといえる。

差がつきにくい外食業界においては既存のやり方だけでは勝ち組にはなれず、話題性を得るために固定概念を崩したサービスを行っていくことも一つの要素なのではないだろうか。

美味しさ・安さだけでは客足も遠のく 背景に「インスタ映え」

外食産業は飽和状態と言われて久しい。外食産業における企業の決算短信を読むと必ずと言っていいほど、「外食産業を取り巻く環境は厳しく、個人消費は落ち込んでいる」と記載されている。

確かに、巣ごもり消費などが台頭する中で外食産業の環境は良いものとはいえないが、それでも他社とは一風異なるサービスや話題性を提供できている企業に対しては顧客も足を運ぶことを惜しまない。

業績に差がついてしまう理由は、どちらかといえば経済的な環境要因というより、顧客の飲食店舗の選別の仕方が過去とは異なってきていると考えたほうが良い。

だからこそ、食事以外の話題性など積極的に追及している企業に人は集まるのである。ツイッター、Instagram、フェイスブックなどで話題の出る飲食店舗には行列ができるのもその傾向を後押しするものだといえるだろう。

業績悪化が目立つ相場環境

個別の企業の場合には決算の行方により株価の明暗が大きく分かれる。特に現在のような相場環境が良い時には、業績が良いことがまずは大前提とされるので、業績悪化のニュースが伝わると投資家からの失望売りを誘う場面が多くみられる。

外食企業の中には大化けする企業もあることをはじめにお伝えしたが、先ほど触れたSNSやゲームとのコラボレーションなど時代に沿ったマーケティングを展開できる企業の業績は今後もますます伸びていくことと思われる。今後の勝ち組を探す参考にしていただければ幸いだ。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある