IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など、コンピュータやロボットは日進月歩の勢いで発展しています。また、囲碁や将棋の分野ではAIが人間の棋士を打ち負かすほどに進化しています。

こうしたなか、コンピュータプログラムが個々の投資家の嗜好に応じて、最適な運用資産の配分を提案する「ロボットアドバイザー(ロボアド)」を導入する金融機関が増えています。今回は、ロボアドの最新事情について見ていきましょう。

ロボアドには大きく分けて2種類ある

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(写真=Olena Yakobchuk/Shutterstock.com)

ロボアドには大きく分けて2種類があります。顧客のリスク許容度に応じポートフォリオと投資信託の組み合わせを提案する「アドバイス単独型」と投資信託の購入から基本ポートフォリオに沿ったリバランスまで自動で実施する「投資一任型」です。

ロボアドバイザーの発祥地であるアメリカでは、投資経験の少ない初心者の入り口として広く利用されており、タイプとしては、「投資一任型」が主流だそうです。 日経新聞によると、2017年1月時点でロボアドを提供する国内の主な金融機関は14社。その後もサービス提供事業者は拡大しています。

ロボアドのメリットは「手軽さ」「安さ」

ロボアドのメリットは、なんといっても手軽なことでしょう。従来、投資・資産運用をしたい場合は、ファイナンシャル・プランナーや証券会社の営業マン、銀行の担当者などに相談していたものでした。ただ、人間がサービスする分どうしてもコストがかかりますし、時間もとられてしまいます。また、意に沿わない商品を強く勧められるなどのコミュニケーションに億劫さを感じる人も多いのではないでしょうか。

その点、最新のフィンテックを活用したロボアドなら、インターネット上でいくつかの質問に答えるだけで、投資のアドバイスを受けることができます。さらにAIが対応する分コストが低く抑えられるのもメリットです。

多くのロボアドは相談料・購入手数料が無料となっています。成功報酬や管理費はサービスによってさまざまですが、手数料が高いサービスほど購入後のアフターフォローが充実している傾向があります。

2014年にロボアド事業を始めたベンチャー「お金のデザイン」が提供するロボアドサービス「THEO(テオ)」は、世界の約6,000種類のETF(上場投資信託)から最適な組み合わせを選び出し、運用してくれます。年間報酬は運用資産の1%相当額です。2017年6月8日にSBI証券、住信SBI銀行と業務提携し、利用者の拡大を目指しています。

新しいサービスなので見極めが重要

ロボアドのデメリットは、それ自体が新しいサービスのため運用成績の見極めが難しいことです。また、投資を始めるにあたっての質問事項が少なすぎるため、「本当に個人に合った投資ができているのか疑問」という声もあるようです。

ロボアドを利用したとしても金融商品に投資をしますので、当然ながら元本割れのリスクがあります。どんなに優れたAIでも、現時点のテクノロジーでは、景気の悪化や株価の変動を完全に予測することは不可能です。ロボアドに従ったからといって、必ず勝ち続けるわけではありません。また、短期的にハイリターンを期待するような投資には向いておらず、長期的な資産運用目的での利用がおすすめです。

さらに、ロボアドの中にはNISAに対応しているものとしていないものがありますので、NISA口座での運用を考えている方は注意しましょう。

1万円程度からの少額で「お試し」も

AI技術の発展はめざましく、今後はロボアドの精度もどんどん上がっていくと考えられます。まだ運用が始まって間もないロボアドですが、1万円程度からの少額で投資ができるサービスもあるので、いくつか「お試し」して、自分にあったサービスを見つけてみましょう。 超低金利時代、銀行に資金を眠らせておくよりは有効活用できるかもしれません。

(提供:THE LIFES

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