個人事業主が業務改善および向上のためにできることに、コンサルタントを雇うという方法があります。「コンサルタントにはなじみがない」という人も、まずはコンサルティングとはどういう仕事なのか知ることから始めてはいかがでしょうか。コンサルタントを雇うメリットやデメリットなどについて考えていきます。

コンサルタントとは

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(写真=Pressmaster/Shutterstock.com)

コンサルタントとは、クライアントである企業に対し助言や指導を行う専門家のことです。個人事業主が会社経営や資金繰りに行き詰まったとき、そして事業をより成長させるための手助けが欲しいときに、現状を認識し問題点を洗い出して、解決策を提示してくれる存在です。

中小企業庁が発表した「中小企業支援機構の連携状況と施策認知度に関する調査(2013年)」によれば、コンサルタントが強みを発揮する分野、および実際相談をうける分野として挙げられるのは事業計画書作成、経営改善支援、再生支援などです。

具体的には、企業経営の全般に関わる経営コンサルタント、新規事業や合併買収などを効率的に運営する戦略を練る戦略コンサルタント、そして、企業の財務状況を見直し売り上げ増加のために支援する財務コンサルタントなどがあります。

コンサルタントになるために必要な特定の資格はありません。しかし、企業の事業改善のために課題を明確にして解決策を立案するといった業務を遂行するには、高度な知識や経験、論理的思考力、そして、組織運営力といった複数のスキルが求められます。したがって、多くのコンサルタントは専門知識や資格を持っている場合が多く、MBAを所有するコンサルタントも少なくありません。

コンサルタントを雇うメリット・デメリット

コンサルタントを利用したことがないという個人事業主も多いでしょう。高額なコンサルティング費用が請求されるのではないかと敬遠している人もいるかもしれません。しかし、個人事業主にとってコンサルタントを雇うことには、さまざまなメリットがあります。

たとえば、社内の人間の目では気づけなかった問題点の洗い出しをしてくれたり、対応できていない問題への具体的なアプローチ方法を示してくれたりなどです。

また、個人事業主の場合、会社運営に関して相談できる相手がいないこともあるかもしれません。そのような時にコンサルタントを利用すれば、さまざまな相談ができます。その他、コンサルタントならではの人脈や有益な情報の恩恵を受けられるということもあるでしょう。

一方で、デメリットもあります。まずコンサルタントを雇うためには継続的にコストがかかるという点です。また、せっかく雇ったコンサルタントが知識不足だったり社風に合わないプランを提示してくるなどして、かえって社内が混乱したりする場合もあるかもしれません。そのためコンサルタントを雇う場合は、社内における何を改善・向上させる目的として雇うのか、そもそもコンサルタントを雇う必要があるのかを今一度検討する必要があります。

コンサルタントを雇う際に気を付けたいこと

コンサルタントを雇ううえで、しっかりと見極めたいのが「果たして自分の業種や会社方針に合ったコンサルタントかどうか」という点です。前述した通り、コンサルタントにはそれぞれ得意分野があります。自分が求める資質を持ったコンサルタントなら会社を業績アップにつなげる可能性がありますが、能力不足だったり方向性の合わないコンサルタントだったりした場合は、業績アップどころか、かえって社内が混乱しコンサルタント導入前より状況が悪化してしまうケースもあります。

このような状況を避けるためにも、コンサルタント選びは慎重に進めなければなりません。過去の業績や実績年数、評判などを調査し、本当に自分が求める人材かどうかを見極めることが必要です。

契約前の調査を怠らない

コンサルタント導入が成功するかどうかは、コンサルタント自身の資質や得意分野に左右されます。思い切って導入したものの「こんなはずじゃなかった」となることを避けるためにも、事前にしっかりコンサルタントの資質や方向性を調査しておきましょう。またコンサルタントを導入したからといって必ずしも業績がアップするとは限りません。自分の事業に本当にコンサルタントが必要かどうかも含めて判断しましょう。(提供:ビジネスサポーターズオンライン)