今週の焦点は、日経平均が終値で2万3000円の大台に乗せて年初来高値を更新するかどうかだ。日経平均は先週、今年最大の下落に見舞われた場面があったが、その後2営業日でそれぞれ300円超、合計で600円超の大幅高を演じ、下げを一気に取り戻した。この相場の反発力の強さと、外部環境の良さ(NYダウの最高値更新、雇用統計、113円台半ばまでの円安進行等)を勘案すると週明けも買い先行で始まりそうだ。

今週の予定で重要なイベントとしては米連邦公開市場委員会(FOMC)があるが、ここでの利上げは市場でほぼ織り込まれており材料にはならない。ポイントは来年以降の利上げペースでドットチャートに変化があるかを見守りたい。

もうひとつ重要なイベントは日銀が12月15日に発表する全国企業短期経済観測調査(12月短観)。大企業製造業の業況判断指数(DI)は、市場の予想ではプラス24となり、9月短観の22を上回り、5四半期連続の改善が見込まれている。短観では大企業製造業のDIが注目されるが、今回の注目は大企業に加え、中堅、中小を合わせた全規模全産業の業況判断DIだ。前回はプラス15と、1991年以来26年ぶり水準。すなわち日経平均と同じである。これがどこまでバブル期の水準に迫れるか注目したい。

短観では設備投資計画も注目される。先日発表されたGDP改定値を押し上げたのも設備投資の上振れだった。9月調査では、17年度の設備投資計画(全規模全産業、ソフトウエアを含み土地・研究開発を除く)は前年度比8.1%増と前年同時期の調査の伸びを3.5ポイント上回った。これが加速しているようだと設備投資関連銘柄がにぎわいそうだ。

今週の日経平均の予想レンジは2万2500円~2万3400円とする。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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