温暖な気候に恵まれた四国の愛媛県。西日本最高峰の石鎚山のふもとにのんびりした景色が広がります。甘いみかんに新鮮な魚など、グルメも有名。ここでは地元の愛媛県人ならみんなが知っている“愛媛県あるある”を紹介します。

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(写真=PIXTA)

週1回給食でみかんジュースが出てくる

『家庭の蛇口をひねるとポンジュースが出てくる』。そんな都市伝説が広がるほど愛媛県はみかんの生産で有名です。愛媛県の知名度アップを見込んで、そのうわさを実現したポンジュースの蛇口も空港や観光スポットなど県内各地で見ることができます。

愛媛県では長年にわたって温州みかん全国1位の生産量を誇り、今でも全国トップクラスを維持しています。地元では「みかんは買う物ではなく、知り合いからもらう物」といわれるほど身近な果物です。

愛媛県では特産のみかんを給食にも積極的に取り入れてきました。週末になると給食後や帰りの時間に合わせて紙パックのポンジュースが出てきます。地元では「ジュース給食」という呼ばれ方もしていて、夏場を中心に小中学校では週に一度、教室でクラスのみんなと飲むのが恒例となっています。愛媛県の子どもたちは小さい頃からポンジュースの味をすり込まれているというわけです。

「とりのこ用紙」は模造紙の方言

学校で学習発表や工作などに広く使われる大きくて白い模造紙。愛媛県では「とりのこ用紙」と呼びます。「鳥の子用紙」とも書き、愛媛県やお隣の香川県では模造紙といわれてもピンと来ないくらいメジャーです。名前の由来は諸説ありますが、鶏の卵のような鳥の子色をしているからといわれています。他県に行って「とりのこ用紙」が通じなくてショックを受ける愛媛県人は少なくありません。

机を「かく」=運ぶこと

「とりのこ用紙」以外にも学校生活では愛媛県ならではの方言が飛び交っています。黒板消しのことを「ラーフル」と呼んだり、教室の掃除の時間、机を動かすことを「机をかく」といったりします。先生に「机をかいて!」といわれて、机の上を掻くふりをして怒られる、なんていうのは愛媛県の小学校では良くある光景です。

この他、「よもだ=冗談、ふざけている」、「つばえる=遊びふざける」など伊予弁と呼ばれる愛媛地方の方言は街では聞かれなくなりましたが、学校では健在です。

学校のプールには必ず「命札」を持参

愛媛県だけで行われている「命札(いのちふだ)」という不思議なシステム。小中学校の体育で水泳のとき、かまぼこ板などで作った「命札」を持っていなければプールで泳がせてもらえません。「命札」には名前やクラス、出席番号や保護者の連絡先など、万一生徒が水泳中に体調不良や事故のときに教師が対処できる情報がマジックで手書きされています。

「命札」は夏休み中に学校のプールで泳ぐ際にも持っていかなければいけません。愛媛県では当たり前の学校ルールですが、県外に行って初めて地元だけだったとビックリする人も多いようです。

中学2年生に「少年式」という行事がある

愛媛県で育った人なら中学2年の2月に学校で行われる「少年式」に出席します。

少年式とはかつて元服とされた14歳を節目に、大人としての自覚を持って生きてゆこうという誓いの儀式です。愛媛県では2月4日を「少年の日」に定め、立志、自覚、健康を願う日としています。1964年2月に愛媛県教育委員会の呼びかけで始まりました。全国的にも14歳に合わせて式典を執り行うのは珍しいものです。

式典では教員や保護者が見守る中、学年全体による誓いの言葉の暗唱や合唱曲の披露が行われます。少年の成長を喜び、大人になるのを温かく見守ろうとする少年式が、しっかりと地域の恒例行事として浸透しているところはユニークです。

水樹奈々さん愛がすごい!

地元出身者というだけで県民を上げて応援するお国柄も愛媛県の特徴といえるでしょう。歌手&声優として大活躍の水樹奈々さんは新居浜市の出身です。地元開催のスポーツや文化イベントではよくゲストとして登場します。2017年のえひめ国体ではイメージソングを歌っていました。この他、テノール歌手・秋川雅史さん、タレントの眞鍋かをりさん、芸人の友近さん、ロックグループのSuperfly、プロゴルファー松山英樹さんなど、愛媛県民は地域ゆかりの芸能人や有名人に温かなエールを送っています。

海や山に囲まれた自然豊かな愛媛県には多彩な方言と言葉に基づく文化が今も息づいています。ぜひ愛媛県に遊びに行った際には、その魅力を味わってみてください。(提供:JIMOTOZINE)