最近、高齢者の運転ミスによる痛ましい交通事故のニュースをよく耳にします。現代の先進技術で、少しでも交通事故を減らすことはできないものなのでしょうか。

すでに自動運転技術は実用化に向かって進んでいますが、実は自動車保険の分野でも個々の運転データを集め自動車保険料に反映するという取り組みが始まっています。その技術の一端を担っているのがIoT技術です。

IoT技術とは?

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(写真=HQuality/Shutterstock.com)

「IoT」とは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略で、「モノがインターネットに接続され情報をやりとりする」技術のことを指します。わかりやすく言うと、モノにIT技術が組み込まれ、そこから情報がリアルタイムでモニタリングされるイメージです。

このIoT技術は、すでにさまざまな分野に導入されています。例えば、外出先から遠隔操作できるエアコンや、利用状況によって高齢者の見守りの役割を果たしている電気ポットなど、私たちの身近な家電製品にも使われているのです。

その他に、自動車保険業界でもIoT技術を導入しています。例えば、スマートフォンと自動車を接続してドライバーの運転データを集め、安全運転をしているドライバーの自動車保険料をより安くする保険商品の発表を行った損害保険会社もあります。

近年の自動車保険の動向

ところで、損保各社の任意自動車保険料はどのように決められるのでしょうか。自動車保険料の見積もりを行う際に、運転者の年齢や利用目的、車種や型式、年式などを細かく聞かれますが、損保各社はこれらの情報と損害保険料率算出機構が発表する参考純率を目安に自動車保険料を決めています。

参考純率は、用途、車種、型式、衝突防止ブレーキの有無などの区分によって決まっていて、不定期に改訂されます。最近では2017年5月に、損害保険料率算出機構が自動車保険の参考純率を平均で8.0%引き下げると発表しました。

背景には衝突防止ブレーキなどの安全運転を支援するシステムを搭載した車の普及による事故率の低下があります。自動車に搭載される事故防止システム技術など、ハード面の進化が自動車保険の保険料に影響を与えているのです。

IoT技術で保険料が抑えられる?

一方で、ソフト面でも自動車保険には新しい動きが発生しています。以前から、自動車保険では運転者の年齢や事故歴、走行距離によって保険料を細かく算出し、運転者のリスク要因によって自動車保険料を決めるリスク細分型自動車保険が主流でした。

個々の条件によって少しでも保険料を安くできることで人気を集めていましたが、最近ではさらに運転技術を保険料に反映させる動きがあります。

それは、インターネットを利用して運転情報を収集し、保険料を算出するテレマティクス保険です。運転技術そのものを自動車保険料に反映するには、個々の自動車で何らかの方法で運転データを集める必要がありますが、そこにIoT技術が使われています。専用の車載計測器で運転データを集めたり、前述のようにスマートフォンアプリを連携させて安全運転しているかを判断し、その結果を保険料に反映する商品が発表されているのです。

テレマティクス保険の中には、安全運転を行うことで保険料を最大20%も割引する商品もあり、少しでも自動車保険料を節約したい消費者の注目を集めそうです。

自動車保険もIoT技術の進化により、個人の運転技術や実走行距離などによって保険料が決まる時代です。自動車保険の更新時期にはテレマティクス保険などの新商品を検討してみてはいかがでしょうか。(提供:保険見直しonline

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