一般的に、子どもの教育費は1人当たり少なくとも1,000万円必要だと言われます。特にお金が必要になるのが大学入学時です。入学費にプラスして、多くの大学で半年分の授業料を一括で納入します。

その金額を一気に手当しようと思うと大変なので、時間をかけて計画的に準備しておきたいものです。今回は、そんな子どもの進学費用に備える方法についてお伝えします。

学資保険とは

pencil
(写真=PIXTA)

学資保険とは、子どもの教育資金を確保するための保険です。学資保険では、自分で積み立てた金額よりも受取金が増えるタイプもあります。一家の稼ぎ頭に万一のことがあった場合、以降の保険料の払い込みは免除されて、受取金は金額が変わらず受け取れる学資保険もあるため、生命保険の性質も備えていると言えます。

子どもが小学校や中学校に入学する時は何かと物入りです。ランドセルや学習机、制服や通学カバンなど、一つひとつは少額でも、まとまると結構な額になります。学資保険に入っていれば、一時金を受け取ることもできます。ただしその分、大学進学時の受取金が少なくなりますので注意が必要です。基本的には、一番お金が必要な大学入学年に向けてコツコツと積み立てるのが良いでしょう。

子ども1人を育てるのに必要なお金は?

実際の教育資金は、公立か私立か、さらに大学の専攻(文系・理系・医歯薬系)によっても大きく変わってきます。文部科学省が公表している「平成26年度子供の学習費調査 調査結果の概要」および日本学生支援機構が公表している「平成26年度学生生活調査」から、幼稚園〜大学までの教育費を公立、私立それぞれで見ていきましょう。

◇ 幼稚園
幼稚園に3年間通うとすると、合計額は、公立では約63万円、私立では約149万円となっています。

◇ 小学校
6年間の総額は、公立では約192万円、私立では約922万円となっています。公立小学校では学費は無料ですが、給食費、図書・学用品・実習材料費などが必要となります。また、習い事や学習塾などの費用は上限がありませんので、大きな差が出るところです。

◇ 中学校
3年間合計で公立が約144万円、私立が約402万円となります。中学校でも公立なら学費は無料ですが、教育費となるとそれなりの額が必要になります。

◇ 高等学校
3年間合計で、公立が約123万円、私立が約297万円となっています。高校も無償化の流れがありますが、それはあくまでも授業料です。義務教育と同様にその他の費用は必要です。特に、大学受験に備えて学習塾に通うと塾代もかかります。

◇ 大学
大学は国立が約259万円、私立が約545万円となっています。

以上から、幼稚園から大学まで、すべて公立に通うと約800万円、すべて私立だと約2,300万円になります。幼稚園では公立に入るのは難しいので私立に通い、小学校中学校高校と公立に通って私立の大学に進学した場合に必要な教育費は総額で1,000万円超となります。

一般に言われている1人当たり1,000万円必要というのは、この数字を言っているのかもしれません。上記の調査結果では、単年で最も教育費がかかるのは私立小学校1年生の約186万円でしたが、小学校受験しない家庭も多いことを考えると、一般的に最もお金が必要だと考えられるのは大学入学時と言えるでしょう。

学資保険のメリットは?

全ての家庭にとって学資保険が必須というわけではありませんが、強制的に貯蓄ができる、親に万が一のことが起こった際の救済措置(保険料免除)がある、税制優遇があるなどのメリットを考えれば、多くの家庭にとって有益な仕組みではないでしょうか。

子どもが生まれるとたくさんの幸せを感じることができる一方、教育費の問題がつきまといます。愛する我が子の将来のために、学資保険を検討してみる価値は十分にあると言えるでしょう。(提供:マネーLife Style


【オススメ記事 マネーLife Style】
いまさら聞けないNISA(ニーサ)とは
初心者でもよく分かる投資信託の仕組みとは
投資初心者が投資信託を買うメリットとデメリット
ドルコスト平均法で投資信託を時間分散しよう
インデックス型投信とアクティブ型投信、どっちを選べばいいの?