福井は2016年、「健康」「生活」など65の指標をもとにした「47都道府県幸福度ランキング2016年版」において、「仕事分野」「教育分野」でトップを獲得し総合1位となりました。また、中小企業の社長数が多く、2015年の「社長輩出数」は1,453人と34年連続で日本一、「学力テストの正答数」では常にトップクラスです。

今回は、日本の将来を担う可能性のある福井の“ナンバーワン”について見ていきましょう。

「仕事」と「教育」がトップレベルの福井

family
(画像=PIXTA)

2014年、仕事分野と教育分野で1位を獲得して幸福度日本一となった福井は、県庁所在地である福井市をはじめ17の市と町を有しています。市と町では、「遊び」「人とのつながり」「生活」とともに「仕事」も整備されており、住みやすい環境づくりが行われています。

例えば福井市の場合、全国の国立大学を調査対象にした「大学生の就職率」において、8年続けて日本一を獲得しています。県全体で見れば「働く女性の割合」も全国トップの数値をたたき出しており、厚生労働省や総務省が調査した「有効求人倍率(2016年)」と「正規就業者の割合(2012年)」についても1位を獲得するなど、福井は働きやすい環境が整っている土地であることがわかります。

教育分野では2016年に「学力」で2位、「社会教育費」と「社会教育学級・講座数」で3位を獲得し、総合的に見ると全国トップの成績です。福井の教育レベルが高い理由としては、福井の教育委員会(以下県教委)の取り組みが挙げられます。

県教委は生徒たちの学力を高めるべく、以前から少人数学級の編制や小中高校での一貫性ある理数学習の促進などを開始しており、さらに2019年度を目途に、国公立大学を希望する学生の合格率アップや中高生の英語力アップといった、さらなる学力向上に向けての取り組みを行っています。

「子どもの幸福度」も日本一

福井に住む子どもたちは学力面と体力面の両方が全国トップの水準で、「子どもの幸福度」に関しても総合1位を獲得しています。

2017年度に行われた「全国学力・学習状況調査」によれば、小学6年生と中学3年生の学力はここ10年間トップクラスを維持しています。特に中3国語A・数学A・数学Bは47都道府県中1位という好成績を残しています。先述した県教委の教育に関する取り組みが実を結んだことがうかがえます。

スポーツの成績に関するデータとしては、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」において、小学生・中学生ともに何度も全国1位に輝いています。この結果は、県教委が取り組む「アクティブ・ワン」活動と「業間体育」が大きく寄与していると考えられるでしょう。

「アクティブ・ワン」とは、1日に最低1時間運動する時間を設けるという活動です。「業間体育」は、授業の間の短い休み時間を利用し、斜め懸垂やボール的当てなど色々なスポーツをして身体を積極的に動かすというものです。自らスポーツに取り組む意識を高める環境が整っていることが、子どもの体力向上につながっているといえるでしょう。

「ものづくり王国」とも称される福井

幸福度だけではなく、福井は工業製品に関しても多くの全国1位を獲得しています。2017年時点で、その数は54の製品と技術に及び、中でも16の製品と技術においては世界シェアでもトップを誇るそうです。主な製品としては、ビスコース人絹織物、ニット・レース染色・整理、漆器製台所・食卓用品、手すき和紙などが挙げられます。福井のものづくりとして有名な眼鏡のフレームの生産割合は96.7%と、国内シェアのほとんどを福井が有しているという結果です。

福井には越前焼の生産地・越前町、越前和紙・越前箪笥などの伝統産業と先端産業の両方を有する越前市、眼鏡と6世紀に誕生した越前漆器も手掛ける“ものづくりのまち”鯖江市があります。ものづくりの盛んな土地で高い技術を持つ職人が生み出す製品は、どれもハイレベルなものばかりです。

安心して使用できる品を長く世に送り出してきた結果、福井はさまざまな工業製品でトップレベルの成果を挙げ続けているのでしょう。

子どものころは教育の分野で、大人になったら仕事・生活の分野で、それぞれに暮らしやすい環境が整っている福井。市町それぞれが魅力ある「しあわせのもと」を今日も育んでいます。豊かな気持ちで本当の幸せな生活がしたい家族にとって、理想の土地と言えそうです。(提供:JIMOTOZINE)