半導体基板のシリコンウエハーは、スマートフォンやIoT(モノのインターネット)、車載機器向けに半導体の必要量が大きく膨らむ中で、タイトな需給環境が続いている。

増産に慎重な大手の信越化学工業(4063)とSUMCO(3436)も、生産拡大に踏み切らざるを得ない状況。関連する装置や消耗品のニーズも高まる。

スマホ用半導体などに使う直径300ミリメートルタイプを中心に、ウエハーの市況が今年に入り上昇している。信越化とSUMCOは、今3月期に打ち出した値上げの姿勢を今後一段と強めていく。一方で、需給の緩和につながる増産には消極的な態度を示していた。

しかし、今年8月にSUMCOが300ミリタイプの生産能力を10年ぶりに拡大すると発表。リーマン・ショック前の好況時に大幅に増産したことがその後の市況低迷を招いただけに、簡単には動けなかったはず。それでも引き上げに向かうのは、底流の需要が相当な強さだということを意味している。

岡本工は受注が急拡大—OBARAG、タカトリも狙い目

半導体ウエハー
(画像=PIXTA) ※画像はイメージです

「かつてないこと」——。そう話すのは、ウエハーを加工するポリッシャーや研削盤などの半導体製造装置を手掛ける岡本工作機械製作所(6125・(2))の石井常路社長。同社の今3月期上期の受注高は213億円(前年同期比89%増)に急増した。引き合いは依然強く、生産能力の倍増を急ぐ。

岡本工の株価は再び動意づいてきた。ウエハーの加工機械では、研磨装置のOBARAGROUP(6877)や、シリコン基盤を切り出すスライサーの東京精密(7729)、小型株ではタカトリ(6338・(2))あたりも面白い。

消耗品では、ウエハー容器の信越ポリマー(7970)やミライアル(4238)などに注目。また、めっきのJCU(4975)、表面処理剤の石原ケミカル(4462・(2))といった薬品メーカーにも商機が広がりそうだ。(株式新聞)

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