先週(12/18〜22)の東京為替市場では円が反落、ドル円の東京インターバンク市場の17時のレートは113円41銭と前週末比25銭円安で引けた。

クリスマス前後は欧米を中心に市場参加者が減少する。22日は東京市場のドル円の値幅は17銭しかなく、NY市場でも18銭しかない膠着状態だった。今週初25日のクリスマス、26日のボクシングデーを過ぎれば市場参加者が戻ってくる。クリスマス休暇前に一旦閉じたポジションを18年にむけて再構築してくることの多い週となり、18年相場の方向性が出始める週となることが多い。

12月は欧米のクリスマス休暇で参加者が減少するが、その分ボラティリティが高い月という印象が強い。2010年以降の12月の相場をみると円高が3回、円安が4回、12月のアノマリーはとくにない。ただ、月間で2円以上動いたのが5回ある。2012年は12月だけで4円も円安が進んだ。昨年12月は2円50銭程度円安だった。今年の12月は今のところ東京市場では1円11銭の円安だ。最終週で1円以上動く可能性も充分にあるのではないか。

税制改革法案が通過し、米国のグローバル企業が海外に持つ2.5兆ドルの資産の一部が年初からレパトリとして環流しはじめる可能性が高い。レパトリはドル高要因とされている。税制改革後、すでに多くの企業がすぐに賃上げ宣言をした。米国の企業は税制改革ですぐに動きだす。今週は来年に向けたドル高の動きがでてくるのではないかと見ている。

米国の18年の利上げは年3回というのがコンセンサス。日銀の黒田総裁は、リバーサル・レートの懸念は認めながらも、景気が回復してもデフレが続く限りは金融緩和をつづけるとの方針を改めて語った。当面円安圧力が働くことになりそうだ。

先週(12/18〜22)の振り返り

為替展望
(画像=PIXTA)

18日の東京為替市場で円は4日ぶりに反落、インターバンク市場の17時のドル円レートは112円68銭と前日比52銭の円安だった。 米税制改革法案が週内に成立することが確定的となり、米景気、世界景気を押し上げるとの期待感からドルが買われた。日経平均も348円高と大幅高で2万3000円近くまで上げたこともリスクオフの円安をすすめる要因だった。

19日の東京為替市場で円は反発、17時のドル円は112円52銭と前日比16銭の円高だった。 米税制改革法案成立が確定的となり材料出尽くし感で米長期金利が時間外取引で低下、ドルの利益確定売りが広まった。一日のドル円の値幅は14銭と模様眺め感が広まった。

20日の東京為替市場で円は反落、17時のドル円は113円14銭と前日比べ52銭の円安だった。 米長期債利回りが一時節目となる2.5%を9ヶ月ぶりに付けてきた。日米金利差の拡大から円安が進行した。

21日の東京為替市場で円は続落、17時のドル円は113円59銭と前日比べ45銭の円安だった。 日銀はこの日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。黒田総裁は、リバーサル・レート(低金利を続けすぎると金融緩和効果がなくなる)の効果があり得ることは認めながらも、インフレ・ターゲットに向けて金融緩和を続けることに言及した。一部に懸念されていた日銀のテーパリングが遠のいたとの観測で円安となった。

22日の東京為替市場で円は3日ぶりに反発、17時のドル円は113円41銭と前日比18銭の円高だった。 欧米でのクリスマス休暇を控え、米7〜9月期のGDP確定値が下方修正されたことでドルに一旦利益確定の売りが広まった。一日の値動きは17銭と小幅にとどまった。

先週の海外市場を振り返る

22日のNY為替市場は税制改革法案が予想通り可決したものの、すでに材料出尽くしでクリスマス休暇を控え市場参加者も少なく閑散だった。NY市場のドル円の値幅はわずか18銭。113円30銭で商いを終えた。東京市場の22日17時からは11銭の小幅円高だった。

22日のNYダウはクリスマスの連休を控えて、利益確定売りが広まり28ドル(0.1%)安の2万4754ドルで引けた。週間では102ドル高となり5週連続で上げている。債券から株にシフトするリスクオンの流れはなかなか止まらない。

日経平均の夜間取引も参加者は限定的。22日の大阪先物の引け比25円高の2万2875円で引けている。

今週(12/25〜29)の為替展望

今週のドル円の予想レンジは113円から114円のレンジを想定している。ドル円は11月27日の110円83銭からトレンドとしては円安の三角持ち合いに入っている。5日移動平均線、20日移動平均線ともに上向きなので、12月12日の直近高値113円74銭に向かう可能性が高い。そこをブレークすれば年内114円の可能性もあるだろう。今年のドル円は年を通じて108円から115円のレンジ相場であり、114円は通過点にすぎない。

今週のイベントは、日本では26日に黒田総裁講演、10月の日銀金融政策決定会合の議事録公開、28日に12月の日銀金融政策決定会合の主な意見公開、29日が東証大納会。海外は25日がクリスマスで米国、欧州、HK、シンガポールなどが休場。26日がボクシングデーで欧州、HKなどが休場。

今週の経済指標は、日本では26日に11月消費者物価指数、28日に11月鉱工業生産がある。海外では26日に米10月S&P/ケースシラー住宅価格指数、27日に米12月CB消費者信頼感指数、29日に米12月シカゴ購買部協会景気指数、1日には中国12月製造業PMIがある。 米景況感が強ければ円安の支援材料になる。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。