2018年1月に毎年恒例のダボス会議が開催されます。ここ数年、新聞やニュースで採り上げられる機会も増えていますが、スイスの地方都市ダボスで何が行われているのかピンとこない人も多いのではないでしょうか。

ダボス会議はスイスの世界経済フォーラムが主催

Switzerland
(写真=PIXTA)

ダボス会議はスイスのジュネーヴに本部を置く世界経済フォーラムが主催する国際会議です。同フォーラムは、1971年に経済学者クラウス・シュワブ氏が設立した非営利機関です。設立の目的は、ビジネス、政治、学問、文化など各分野のリーダーたちが連携して、世界のさまざまな問題の改善を図ることで、以下の3点を特徴としています。

1. 政治的、経済的に中立なこと
一般的にシンクタンクや研究機関は特定の国、政治団体、企業などを母体にしています。このため制度的には独立性、非営利性が担保されていても、実態としては特定の政治思想や企業の思惑の影響を受けている場合が少なくありません。こうした事態を避けるために世界経済フォーラムは世界中の企業をメンバーやパートナーに選定しています。

2. 国際的な影響力を有していること
世界経済フォーラムのメンバーは世界各国のリーディングカンパニー1,000社により構成されています。通常メンバーのほかIndustry affiliation, Strategic Partnership,Institutional Membershipなどのポジションがあり、2016年6月期には合わせて2億5,932万スイスフラン(約293億円、2017年11月末1スイスフラン=113.0円にて換算)の会費を納めています。

3. 公民連携を図っていること
世界経済フォーラムは世界レベルで公民連携を進め問題解決を図ることを使命としています。フォーラムの理念実現のために活動する評議員会には、竹中平蔵元経済財政政策・金融担当大臣、アル・ゴア元米国副大統領、ヨルダン王妃、世界銀行総裁、IMF専務理事、OECD事務総長、赤十字国際委員会総裁、ペプシコCEO、アリババグループ創業者、チェリストのヨーヨー・マ氏など多彩な人物が名を連ねています。

ダボス会議とは、世界経済フォーラムの年次総会

世界経済フォーラムは毎年4つの主要会議を開いています。まず1つめは、1月にスイスのダボスで年次総会を行います。これがダボス会議と呼ばれるものです。2つめは、中国で開催される科学・技術革新のチャンピオンたちの会合です。3つめは、UAEで開催される世界が直面する課題を検討する会議です。最後の4つめは、産業戦略会議です。新規産業の開拓などについて議論されます。

各会議の模様は幅広く報道されていますが、最も注目度が高く重要な会議は、1月のダボス会議です。ノーベル経済学賞を受賞した元世界銀行総裁ジョセフ・スティグリッツ氏を始め、IMF、欧州中央銀行、イラン、JPモルガン、ゴールドマンサックス、YAHOO、中国工商銀行などのトップがこれまで出席しています。

2018年のダボス会議は1月23日に開幕

2018年のダボス会議は1月23日から26日にかけて開催されます。 総会や個別セッションの模様はウェブサイトで公開されます。またツイッターやフェイスブックにも情報がアップされますので、誰でも見ることができます。 2017年は世界経済が順調に拡大する一方で、北朝鮮の動向に注目が集まり、欧州や中東でも不安定な情勢が続いています。こうしたなかでダボス会議における各国要人の発言への注目が高まっています。(提供:お金のキャンパス