昨日の海外時間には、リビアで武装勢力がパイプラインを爆破したと報じられたことから原油相場が上昇する中米長期金利が低下しドル売りが強まりました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間、欧州各国と英国が休日だったことから各通貨ペアは極めて薄商いの中小動きとなりましたが、その中でややユーロは売られ、ユーロドルは1.1870台から1.1840台まで、ユーロ円は134.50円台から134.20円台まで下落しました。

クリスマス休暇明けのNY時間にはいっても薄商いが続きましたが「リビアでパイプラインが爆破された」と報じられたことから原油価格が上昇する中、米長期金利が低下しドル売りが強まって、ドル円は113.10円台まで下落し、ユーロドルは1.1870まで上昇しました。この間ユーロ円は134.50円台まで反発したあと134.20円付近まで下落しました。

東京時間にはいって、日経平均が堅調に推移していることから円がやや売り戻されています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは57%と変わらずでした。

今日の予定

今日の海外時間には、米・12月CB消費者信頼感指数、米・11月中古住宅販売保留指数の発表があります。

今後の見通し

リビアで起きた爆破事件は、報道によれば同国最大の原油積み出しターミナルにつながるパイプラインが、車2台で乗りつけた武装勢力によって爆破され、その影響で最大日量10万バレルの減産となる見通しとされ、原油相場は約2年半ぶりに60ドルをつけました。この影響で報道後ドル売りが強まりましたが、NY時間引けにかけて対ユーロでドルの買戻しが優勢になったあと、東京時間にはいってからは対円でも報道後ドルが売られた分を戻しています。

リビアでは、2011年に内戦が起きた後、石油関連施設が武装勢力に占拠されるなどして産油量が制限されることが起きていますが、石油関連施設が直接的に破壊されたことはなかったと言われていて、今後の展開によっては、もともと強含みとなっていた原油相場が一段高となる可能性があります。その場合、まずは、豪ドル、カナダドルなどのいわゆる資源国通貨が買われると予想できます。ただ原油高が続いた場合は、日本でもインフレ率が高まって、日銀の長期金利誘導目標の変更などが意識されて円買いに繋がる可能性が出てきます。

ドル円の押し目買い成立

昨日は113.10円付近での押し目買いを待つとしましたが、NY時間に113.15円でドル買いポジションを構築しました。引き続き112.80円割れに損切りラインを設定して113円台後半での利食いを目指します。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。