このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。
2017年12月28日(木)Market TalkのSummary
出来高超閑散の上に値動き極小な最終週となっているが?
商いが少ないと市場エネルギーがないと言われるが、「市場エネルギーがない」とは何か?典型的な「閑散に売りなし」の状況で売り物が出てこないということ。売りたくても売れないし、そもそも売る地合ではないから売らないというのもある。商いは少ないが市場に力がないわけではない。プライシングとはそのものの価値があってそれに値付けしていくことだから新しい情報がはいってこないと新しい価格にならない。今は企業の業績、その業績に影響があるマクロ環境などで新しいニュースがない。
2018年初頭の株価は?
1年で一番いいパフォーマンスの月は1月だがこれは過去のパターン。日経平均の算出が始まってからの平均をとると1月が一番高いという過去のデータ。「1月効果」というアノマリーもあるが、最近は薄れてきている。明日の大納会で23000円、年初来高値を更新して終われば、年明けは利益確定売りから入る、特にアメリカで法人税の減税が決まったので、アメリカ株で売りを控えていた人たちの年明けからの利益確定売りでアメリカ株が急落するシナリオも考えられるため、2018年の年初は注意したほうがよい。過去のデータは忘れて各年のケースバイケースで考えること。
日経平均30,000円はいつ頃達成するか?
2018年末に30,000円に達成すると予想。2019年中は2018年につけるであろう30,000円から2割3割は上がるとすると30000円半ばまではあるのではないか。2020年には史上最高値を抜けて40,000円もみえてくるのではないかと予想している。
来年の石油はどうなるか?
今年は石油が業種別のベストパフォーマーだが、来年も引き続きポイントとなる。株価上昇シナリオの根底には世界景気の回復がある。全部のシナリオがグローバル景気の安定、成長にのっかっているから、ここが崩れると全部崩れてしまう。このグローバル景気を支えているのは原油が安定しているから。インフレを目指すには原油が上がってほしいが、上がりすぎると景気がだめになってしまう。来年は原油が安定していることが一番のポイント。
今後の電子部品銘柄の動向
電子部品業界はここから数年間は100年に一度の大変革期。AI、ロボット、IoT、電気自動車、EVなど何をやるにしても電子部品の需要はどんどん高まっている。高機能の電子部品のニーズは特に強い。短期的にみると、今は電子部品というとスマ-トフォンの動向に紐付いているので、最大のスマートフォンの需要地である中国での供給過剰懸念が電子部品の売り材料となるが、長い目で見れば電子部品はスマートフォン以外のあらゆる産業に使われて 今後はそのあらゆる産業が電子化されていくので、電子部品のニーズは非常に強い。長期的にみれば非常に有望な位置にあると思う。
広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
【関連リンク マネックス証券より】
・2018年の投資環境 世界経済の拡大続く 死角はないが「もしもは起こる」と考える 市場の変動性自体がリスク
・日経平均が2万3000円の大台に乗せて今年を終えることができるか
・2018年は「3」がキーワード...来年の日本経済に注目
・日経平均反発 来週の掉尾の一振を期待させる終わり方
・2018年の展望:金融環境は良好。来年後半に金利は上昇