昨日の海外時間には、欧州時間にドル売りが強まりましたが、その後は小動きとなりました。

昨日の海外市場動向

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(画像=PIXTA)

欧州時間序盤、特段の新規材料はありませんでしたがドル売りが強まって、ドル円は112.60円台まで下落し、ユーロドルは1.1940台まで上昇しました。しかし米長期金利がやや上昇するとドル売りは収まって、ドル円は112.90円台まで反発し、ユーロドルは1.1920台まで下落しました。

その後ドル円は112.80円台を中心としたもみ合いとなりましたが、米長期金利が低下する展開の中NY時間にはいるとユーロ買いが強まって、ユーロドルは1.1950台まで、ユーロ円は134.90円台まで上昇しました。

NY時間引けから東京時間朝方にかけてはユーロが売り戻され、ユーロドルは1.1930台まで、ユーロ円は134.70円台まで下落しました。

東京時間序盤は日経平均が反発する中円売りが優勢となりましたが、日経平均が伸び悩む展開となると円買いが強まっています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは56%へ低下しています。

今日の予定

今日の海外時間には、独・12月消費者物価指数の発表があります。

今後の見通し

今年のドル円相場は変動幅が11円余り、約9.6%と過去40年間で4度目の10%以下の変動幅でした。その中で現在は今年のレンジの半値(112.96)付近を推移しています。一方ユーロ円を始めクロス円は今年の最高値圏での取引となっています。昨日NYダウが終値ベースで史上最高値を更新したことに象徴されるように、様々な不確実性を含んだ中リスク資産が買われる中代表的な資金調達通貨であるドルと円が売られ、ドル安、円安で結果的にドル円は小動きとなった年でした。

一部で北朝鮮がミサイルを発射する初期的な兆候が見られると報じられる中、トランプ米大統領が「現場を押さえた。中国が北朝鮮に対する石油供給を容認していることに非常に失望している。こうしたことが続けば北朝鮮問題を巡る平和的解決は一切なくなる」と中国を非難するなど、引き続き不安要因はあるものの、来年もいわゆる「ゴルディロックス相場」が続くとの見方が多く、そうなると為替市場でも引き続きドル安、円安が継続する可能性が高くなります。

3連休のリスクもあって様子見

月曜日の元旦は、世界的に市場が休場となって、為替相場も取引不能となることと、その間に北朝鮮情勢などで動きがあった場合にポジションを閉じることができずに不用意な損失を被るリスクがあることから今日は一旦様子見とします。

今年1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。