今年に入り2倍の株価をつけている、好業績な「大化け株」7銘柄を紹介しよう 。半導体メーカーのマイクロン・テクノロジやエヌビディア・コーポレーションからデジタル決済市場をリードするペイパル、バイオテック企業に成長を遂げたバーテックス・ファーマシューティカルズ、時価総額1000億ドルの国際大手ボーイングまで、来年も注目に値する企業ばかりだ。

株価はダウ・ジョーンズ傘下にある市場調査企業マーケットウォッチによる、2017年12月27日のデータを参照にしている。

マイクロン・テクノロジ (MU)――半導体市場の大盛況で予想を上回る業績

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(画像=Thinkstock/GettyImages)

1978年に設立されたアイダホ州に本拠を置く多国籍半導体メーカー。メモリ・ストレージ技術など、「可能なことを変革する」世界トップクラスの技術を開発している。18カ国・地域で事業を展開しており、特許数は2.6万件を超える。

半導体市場の盛況を受け、今年1月には22ドル前後だった株価は、11月に49ドルまで上昇。現在は42ドルに落ち着いているものの、再加熱するとの期待が高まっている。

11月の決算報告 では、売上高68億ドル、1株当たりの配当2.45ドルと、予想をはるかに上回る好業績を発表した。

バーテックス・ファーマシューティカルズ(VRTX)――「小規模医薬品メーカーからバイオテック大手」へ転身

マサチューセッツ州に本社を置き、英国やカナダに研究所をもつバーテックス・ファーマシューティカルズは、30年近く重篤疾患用の低分子医薬品の開発・製造・販売に取り組んできた医薬品企業だ。

第4四半期には研究予算の超過から1億ドル以上の損失をだしたにも関わらず、成果が実を結び、売上高5.78億ドル、年間売上総利益5.05億ドルを記録。1月には74ドル前後だった株価は7月に160ドル超え。現在は151ドルに 。今年は「小規模医薬品メーカーからバイオテック大手」へ転身を遂げた年となった。

ボーイング(BA)――国際大手の「大化け株」?時価総額1000億でもまだ値上がり

1916年、ワシントン州で設立され、世界最大の航空宇宙機器開発製造企業に成長したボーイング。時価総額1000億ドル規模の大手企業株が急激に成長することは珍しいが、ボーイングの株価は今年に入り、89%も値上がりしている。 第1~3四半期のキャッシュフローは昨年1年分を上回る200億ドル。ボーイング777に続き、2018年は797などの新型旅客機の発表も予定している。

一部からは「株価を押し上げているのは事業成長ではなく、政府による寛大な優遇税制 」との指摘もあるものの、1月に155ドル前後だった株価はなだらかに上昇。現在295ドルを上回っている。すでに確立された国際大手が「大化け株」となった数少ないケースだ。

ペイパル(PYPL)――株価上昇率はVISA、マスターカードのほぼ2倍

2002年、テスラのイーロン・マスクCEOが1.65億ドルでeBayに売却したオンライン決済スタートアップは、現在時価総額67億ドルの大企業に成長。

世界中で加速するオンライン・ショッピングやFinTechの波に乗り、株価は今年だけで90%増。既存のクレジットカード大手VISAの株価(45%増)や、マスターカード(46%増)をはるかに上回る上昇ぶりだ。

今期の予想売上高(35億ドル)を達成した場合、今年の総売上高は130億ドル(前年比20%増)の大台に届くことになる。今年40ドルで始まった株価は、11月以降70ドル台を維持している。

エヌビディア・コーポレーション(NVDA)――世界中が注目するAI半導体メーカー

カリフォルニア州で年に設立されたエヌビディア・コーポレーション(Nvidia Corporation)。成長株のAI(人工知能)半導体メーカとして世界中から注目を浴びており、時価総額は今年に入りほぼ2倍(1160億ドル)に膨れあがっている。第3四半期の売上高は 26.4億ドル (前年同期比32%増)。

1999年から開発してきた テレビゲーム向けのチップ「GPU (グラフィック・プロセッシング・ユニット)」が、AI処理に適していると分かったことから、現在は世界各地の企業と提携し事業を拡大している。

株価の推移は1月の100ドル前後からほぼ2倍の197ドルへ。今年11月には214ドルまで高騰したものの、利用規約の影響か下降気味ではある。規約変更の内容は、「今後データセンターで利用する半導体を自社の供給する普及価格帯のものから、高価格帯のものへと移行する」というものだった。

NRGエナジー(NRG)――再生可能エネルギーが株価を2倍以上に押し上げ

テキサス州を拠点とする電力販売ブランド。1989年の設立以来、リライアント・エナジーやテキサス・ゲンコ―・ホールディングスなど数々の買収を繰り返し 、時価総額90億ドルに成長を遂げた。

ソーラー発電や風力発電など環境にやさしいエネルギーに力を入れており、今年は株価が124%上昇。約12ドルから約28ドルと2倍以上に値を上げている。再生可能エネルギーへの投資は今後も世界各地域で拡大すると予測されていることから、来年はさらなる跳躍が期待できるかも知れない。

ウィン・リゾーツ(WYNN)――不動産再開発事業で投資家の期待が高騰

ネバダ州に本社を置く統合型リゾート企業。今年は不動産開発事業が大当たりし、株価を94%押し上げた。地元ライバル、シーザーズ・エンターテインメントのおよそ2倍の伸びだ。

過去にもデザートインから敷地を2.8億ドルで買い上げ、自社の「ウィン・ラスベガス」に再開発するなど再開発産業にも取り組んでいたが、今年はニューフロンティアホテルの敷地を3.3億ドルで買収。投資家の期待が高まったものと推測される。2019年にはボストン周辺に新たなカジノをオープンさせる。

売上高は約50%増(16億ドル)。1月に90ドル前後だった株価は170ドルまで値上がりしている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)