昨日の海外時間には、昨年末の流れを引き継いでユーロ買いが強まりました。一方、地政学的リスクが意識されたことからドル円は最近の取引レンジの安値付近まで下落しました。

昨日の海外市場動向

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(画像=PIXTA)

欧州時間、特段の新規材料はありませんでしたが序盤からユーロ買いが強まったことから全般的にドル売りが優勢となって、ユーロドルは1.2040台まで上昇し、ドル円は112.30円台まで下落しました。発表されたユーロ圏・12月製造業PMI(確報値)が予想通りではありましたが、ユーロ圏経済の堅調さが確認されたことからそれまでの流れが一段と強まって、ユーロドルは1.2080付近まで上昇し、ドル円は112.10円台まで下落しました。

NY時間はいると、米長期金利が上昇を始めたことからドルの買戻しが優勢となって、ユーロドルは1.2020台まで下落しましたが、ドル円は112.20円付近の小動きが続いたため、ユーロ円は134.90円台まで下落しました。

NY時間午後にはいっても米長期金利の上昇が続く中、NYダウが上昇したこともあって円売りが強まって、ドル円は112.30円台まで、ユーロ円は135.40円台まで上昇しました。一方ユーロドルは1.2050台まで買い戻されたあとは小動きとなりました。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは57%で変わらずでした。

今日の予定

今日の海外時間には、米FOMC議事録の公表と、独・12月雇用統計、英・12月建設業PMI、米・12月ISM製造業景況指数、米・11月建設支出の発表があります。

今後の見通し

新年最初の取引で、昨年上昇が続いたS&P500、NASDAQ総合指数は終値の史上最高値を更新しました。為替市場でも昨年終盤の、ドル安、円安の流れが引き継がれました。その中でNBCが「北朝鮮が数日以内に弾道ミサイルを発射する可能性がある」と報じられたことからやや円買いが優勢になってドル円は最近のレンジの安値圏まで下落しました。しかし各国株価が堅調に推移していることから円買いは限定的なものとなっています。向こう数日間北朝鮮絡みの地政学的リスクが意識されやすいことから、ドル円は動きづらい展開が予想されます。一方ユーロは引き続き買われやすいと見られることから引き続きユーロ円の上昇を予想します。

ユーロ円の買いポジション維持

昨日のNY時間にユーロ円を135.10円付近で押し目買いしました。134.80円割れの損切りを維持したまま、しばらくはどこまで上値を追えるか見ていきます。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。