「評価損を解消するために、IPO(新規上場)銘柄を買って、損を取り戻すことができました。これまでの投資人生において、最高の利益をあげています」──個人投資家の方から、このような嬉しい声が届きました。

株式投資をする上でのテクニックの一つに、IPO(新規上場)する銘柄やIPOした後、間もない銘柄に投資する方法があります。今回はこうした「IPO投資」について、おさらいしてみましょう。

なぜ今「IPO投資」なのか?

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(画像=Thinkstock/GettyImages)

国内新興市場が好調です。日経ジャスダック平均(図1)は年間を通じて上昇基調を持続。東証マザーズ指数(図2)は一時下落したものの再び上昇に転じ、6月高値を抜いてきました。こうした新興市場好調の背景には、IPO(新規上場)銘柄の活躍もあげられると考えられます。

そこで、2017年のIPO(新規上場)の動向を振り返ってみると、新規上場した銘柄は全部で96社。2008年のリーマンショック以降で2番目の多さですが、過去最高だったITバブルの2000年に記録した204社に遠く及ばないほか、2007年の121社にも届かず、驚く数字ではありません。

企業が上場する目的は、社会的な地位向上という理由のほかに、資金調達の多様化というのがあります。株式公開時には、公募増資を行うケースが多いため、相場環境が悪い時には好転するのを待つケースも。逆に言えば、相場が良い時ほどIPOは活況になりやすいものです。

それにもかかわらず、2017年は増えたとは言え、過去に比べればまだまだの水準でした。このトレンドからすると、2018年は相場環境が極端に悪くならない限り、2017年に比べてやや増加するのではないでしょうか。約100社が上場すれば、それだけチャンスがあります。

さらに、IPOした銘柄の中には、上場時に不人気で不本意にも公開価格割れとなった銘柄や上場人気で吹き上げた後、いったん調整した銘柄が巻き返すケースも少なくありません。これらも含め、以下にIPOの投資のポイントをいくつかまとめてみました。

図1:年間を通じ上昇した日経ジャスダック平均(日足)

年間を通じ上昇した日経ジャスダック平均(日足)
(画像=SBI証券)

図2:6月高値を抜いてきた東証マザーズ指数(日足)

6月高値を抜いてきた東証マザーズ指数(日足)
(画像=SBI証券)

※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成

「IPO投資」のポイントは?

(1)国策に売りなし?

一般的な株式投資における鉄則でもありますけど、国策のテーマに沿うような銘柄であれば、その後の成長がかなり約束されている状態とみることが可能です。たとえば、人口減少で人手不足解消の施策にマッチする「働き方改革」や「生産性革命」のテーマに乗る銘柄が上場した時は積極的に参加してもよいかもしれません。

表2に2017年の「IPO銘柄」で、公開価格から大きく上昇した銘柄をご紹介しています。上昇率第1位のサインポスト <3996> の蒲原 寧社長は「スーパーやコンビニの人手不足解消するのは何と言ってもレジ無人化。さらに引き合いが拡大していくでしょう。今後は地方創生で農業分野にも進出したい」と語っています。「働き方改革」という「国策」に乗った銘柄になっているようです。

(2)復活!再上場「リバイバル組」が飛躍!!

以前、その銘柄を保有していたことのある投資家にとっては不愉快で、「もう見るのもイヤ!」と思う投資家もいると思いますが、再上場できる意味を考えていただきたいですね。それができるのは多くの場合、構造改革をして、収益力がついたことを示していると考えられます。2017年は表1のような例がありました。初値は公開価格に対して人気もなく、上昇するケースは少ないようですが、その後は大きく上昇する銘柄が多いようです。

(3)指値・逆指値の活用が有効?

IPO以降、間もない銘柄はボラティリティが高い傾向にあるので、指値や逆指値注文を入れておくとよいかもしれません。これは、注文する時のポイント。

(4)玉石混交だが、将来の“お宝銘柄”も

アメリカほどではありませんが、中には上場時がその会社のピークで、数年で退場してしまうような銘柄もありますが、一方では「ダイヤモンドの原石」のような銘柄もあり、何年かかけて大きく育つのを待つ投資方法もあります。かつてのホンダ <7267> やソニー <6758> もベンチャー企業でした。ヤフー <4689> が「大化け」したことも記憶に新しいところ。成長力を見極める目を養うことが大切です。

(5)相場が崩れた時には「カラ売り」も選択肢

人気銘柄の上場時に売買のチャンスを逃した場合、その後の買うタイミングとしては上場人気が落ち着いて株価がチャート上、横ばいで推移するであろう3ヵ月~6ヵ月後くらいが有効と思われます。一方、人気が過熱した場合は、相場が崩れ始めたら「HYPER空売り」などを活用して、利益を確保する方法もあります。

復活!再上場「リバイバル組」が飛躍?(例)
(画像=SBI証券)
2017年に新規上場した銘柄で公開価格から大きく上昇した銘柄(トップ20)
(画像=SBI証券)

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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雨宮京子
SBI証券 投資調査部

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