昨日の海外時間には、各国株価が全面高となる中、米長期金利が上昇してドルが全般的に買い戻されました。
昨日の海外市場動向
欧州時間、特段の新規材料はありませんでしたが欧州通貨売りが強まる中、ユーロドルは1.2010付近まで、ユーロ円は134.80円付近まで下落しました。この間ドル円は112.30円台から112.20円付近まで小幅に下落しています。
NY時間にはいるとややユーロが買い戻され、ユーロドルは1.2030台まで、ユーロ円は135.00円台まで反発しました。その後発表された米・12月ISM製造業景況指数が予想よりも良い結果だったことから、米長期金利が上昇してドル買いが強まって、ドル円は112.50円付近まで上昇し、ユーロドルは1.2000付近まで下落しました。しかし米長期金利の上昇が続かなかったことからドルは反落し、ドル円は112.20円台まで下落し、ユーロドルは1.2030台まで上昇しました。この間ユーロ円は135.10円台まで上昇しています。
NY時間午後FOMC議事録が公表されると、インフレ見通しに対する懸念の後退が示唆されたとして再び米長期金利が上昇してドル買いが強まって、ドル円は112.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.2000付近まで下落しました。しかしこの米長期金利の上昇も続かず、ドル円は112.40円台まで下落し、ユーロドルは1.2020台まで反発しました。なおNYダウ、S&P500、ナスダック総合指数は史上最高値を更新しています。
東京時間にはいって日経平均が大きく上昇していることから円売りが強まっています。
FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは68%へ大きく上昇しています。
今日の予定
今日の海外時間には、ユーロ圏・12月サービス業PMI(確報値)、英・12月サービス業PMI、米・12月ADP民間雇用者数、米・新規失業保険申請件数の発表があるほか、ブラード・米セントルイス連銀総裁の講演があります。
今後の見通し
昨日の海外時間には、ここ2週間続いていた全般的なドル売りが一旦収まりやや買いもされ、ドル円も反発しました。公表されたFOMC議事録では特段新規の材料は提示されませんでしたが、アナリストらがインフレリスクに対する懸念が若干後退した、と解釈したことから米長期金利が上昇しドル買いが優勢となりました。昨日のドルの上昇は、一昨日までドル売りが強まりましたが、明日に米雇用統計の発表を控えていることもあって、ポジション調整の動きとも捉えることができることから、今日は昨日のような動きにはならない可能性が高いと考えられます。ただ、急騰している日経平均が昨年の高値を上抜いてくれば、さらに円売りが強まると予想できます。
ユーロ円の買いポジション維持
昨日のNY時間に損切りライン近くまで下落しましたが、ユーロ円の買いポジションを継続しています。今日も134.80円割れに損切りを置いて一段の上昇を待ちます。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。