2018年の東京株式市場は好調なスタートを切りました。「大発会」の日に当たる1/4(木)には日経平均株価が741円高となり、26年ぶりの高値水準を回復しました。1/5(金)も208円高と続伸しましたが、年初からの続伸は実に8年ぶりのことになります。米国をはじめ世界的な株高が続いていることが、日本株上昇の要因になっていると考えられます。
さらに、日本企業の業績が順調に拡大していることが、日本株の上昇要因として重要であるとみられます。2018年の日経平均株価は19%上昇しましたが、日経平均株価の予想EPSは28%も上昇しています。日経平均株価は上場企業の好業績を完全には織り込んでいないかもしれません。そうした中、1月下旬からは3月決算企業の第3四半期の決算発表が本格化します。好業績銘柄にスポットが当たり、株価上昇が加速するケースもありそうです。
そこで今回の「日本株投資戦略」では、3月決算の主力銘柄を対象に、業績予想上方修正も期待できそうな好業績期待銘柄を抽出すべく、スクリーニングを行ってみました。
業績予想上方修正も期待できる好業績期待銘柄はコレ!?
それではさっそく、スクリーニングを行ってみたいと思います。
(1)東証1部銘柄であること
(2)3月決算銘柄であること
(3)時価総額1千億円超の銘柄であること
(4)銀行、証券商品先物、保険、その他金融以外の業種の銘柄であること
(5)予想EPSを公表するアナリストが3名以上いる銘柄であること
(6)上期営業増益率が今期会社予想営業増益率より大きい銘柄であること
(7)第3四半期累計の予想営業増益率(市場予想)が今期会社予想営業増益率より大きい銘柄であること
(8)過去4週間で予想EPS(市場コンセンサス)が1%超増加している銘柄であること
(9)今期予想営業増益率について、市場予想が会社予想を上回っている銘柄であること
(10)来期予想営業増益率(市場予想)が10%超の銘柄であること
表1は上記のすべての条件を満たす銘柄を、(10)の来期予想営業増益率の高い順に並べたものです。「日本株投資戦略」ではこれらの銘柄を「業績予想上方修正も期待できる好業績期待銘柄」であると考えています。
年3月期を指します。市場予想はBloombergが集計した市場コンセンサスです。なお「上期」の営業増益率は前年同期との比較によります。
日銀短観はヒント満載?
業績予想を上方修正しそうな銘柄に迫る方法は他にないでしょうか。個別銘柄はともかく、業績予想を上方修正する銘柄が多そうな業種を抽出することは可能です。
表2は日銀短観(2017年12月調査)における大企業の業況判断指数をみたものです。9月調査での「先行き」見通しに対し、12月調査での「最近」が大きく上振れている業種は業績予想が上方修正される可能性が大きそうです。
非鉄金属、石油・石炭、化学などの業種は9月時点で想定していたよりも12月の業況が良くなった企業が多かったことを示していますので、業績予想上方修正が多くなることに期待して良さそうです。逆に宿泊・飲食サービスや業務用機械などの業種は下方修正リスクに注意した方が良さそうです。
なお、日銀短観(2017年12月調査)では全産業の業況判断指数は、9月時点での「先行き」が+19であったのに対し、12月時点での「最近」は+25と上振れています。日銀短観も企業の業績予想について、上方修正が増えやすいことを示唆していると言えそうです。
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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鈴木英之
SBI証券 投資調査部
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