先週(1/4〜5)の日本株は大発会から2日連続の大幅高、日経平均は週間で949円59銭(4.2%)高の2万3714円53銭で引けた。昨年来高値更新で、92年1月以来26年ぶりの高値を付けた。

昨年11月9日に日経平均は一時2万3382円とバブル崩壊後のザラ場の高値をつけたが、この日の高値は翌日にミニSQを控えてオプションに絡むヘッジのショートカバーで急騰したとの観測が強く、日経平均は天井を付けた後に800円以上も急落してしまった。その後、日経平均は戻り歩調とはなったが、2万3000円をなかなか抜けない展開が続いていた。

ボックス圏の動きが長かった場合、ボックスの上限を抜けると相場が一段高になることが多い。年末年始の海外株高を好感し年初から外国人の日本株買いが入り、2万3000円近辺でたまっていた先物やコールオプションの売りポジションにショートカバーが入り、日経平均はボックスを上離れて教科書通りに急騰することとなった。

海外の主要市場は日本に先駆けて1月2日から18年の商いを開始していたが、米国市場は好経済指標を好感して年初から主要3指数が連日で高値更新、NYダウは2万5000ドルの節目を抜けてきている。

年末12月28日に発表された12月シカゴ購買部協会景気指数が市場予想を大きく上回り11年4月以来7年ぶりの高水準、4日に発表された12月ISM製造業景況指数も予想を上回り04年1月以来14年ぶりの高水準。もはや、米国の景況感には曇りもなく、今年からさらに税制改革とインフラ投資増がさらに上乗せされる可能性が高く、世界株高の要因となっている。

日本市場も、世界の好景気、日本の好景気、日本企業の業績回復で、ファンダメンタルズでは一点の曇りもないが、北朝鮮の地政学リスクが最大の懸念材料だ。年末28日に米メディアが北朝鮮のミサイルに動きがあることを報じると、日経平均は一旦大きく売られた。

金正恩は年初の会見等で、北朝鮮は韓国冬期オリンピックに選手派遣を考えていること、南北のホットラインを再開することなどを発表した。南北のデタントムードが高まったことも日本株の支援材料となっている。

日経平均が節目となる2万3000円を抜いたことで、ボックスレンジは2万3000円〜2万5000円のレンジに移った可能性が高い。日経平均は89年の3万8957円高値からリーマンショック後の08年の6994円安値の下げ幅の半値戻しを達成した。市場には半値戻しは全値戻しという言葉があるように、半値戻しを達成するとセンチメント的にも新規の買いが入り始めると言われている。

日経平均の累積出来高でみても2万3000円から上は真空地帯となり売り圧力が弱まるゾーンになる。NY株は雇用統計後の5日も急騰しており、来週の日経はミニSQを控え2万4000円の可能性もありそうだ。

先週(1/4〜5)の振り返り

株式展望
(画像PIXTA)

大発会4日の日経平均は3日ぶりに急反発、前日比741円(3.3%)高の2万3506円の高値で引けた。

日本の年末年始の休場中に、米国の経済指標などを好感し、米国、イギリス、香港などの株価指数が過去最高値を更新。日本株もギャップアップして始まった。 日経平均の700円以上の上げは、トランプラリーの16年11月10日以来、大発会の上げとしては96年の大発会以来22年ぶりだった。年末の東証1部の売買代金は連日で2兆円を割っていたが、この日は3兆2794億円と商いも増えた。

5日の日経平均は続伸、前日比208円(0.9%)高の2万3714円と連日で約26年ぶりの高値を付けた。

4日も海外市場の株価が上昇し、リスクオンムードが広まった。円が113円台と円安傾向になったことも投資家心理を好転させた。日経平均が急騰後の連休前ということもあり、午後には利益確定が広まるのではないかとの見方もあったが、午後からもう一段高するほど相場の基調が強かった。

先週の海外市場を振り返る

5日のNYダウは4連騰、前日比220ドル(0.9%)高の2万5295ドルで引けた。3日連続で過去最高値を更新、今年に入ってまだマイナス知らず。

12月の米雇用統計で非農業者部門雇用者数(NFP)は14万8000人増とコンセンサスの19万人を下回った。もっとも今の市場はいいとこ取り。景気が好調ながらも、利上げペースはゆっくりとなるとの見方で株式が買われた。

ドル円は、NFPが下振れたため一旦ドル売り・円高が113円02銭程度まで進んだが、往って来いとなった。NY為替市場の引けは113円10銭と前日比30円円安、東京の5日の17時比では5銭の円高とほとんどレンジ内の動きだった。

米長期債利回りは12月20日〜21日に2.5%の節目を付けた後に一旦2.4%程度まで低下していたが、2.48%程度まで上昇しており、株高・債券安となっている。

NYのWTI原油は4日に15年5月以来の62ドル台に乗せたが、5日は4日ぶりに下落し61.44ドルで引けている。

今週(1/9〜12)の株式展望

今週の日経平均の予想レンジは2万3400円〜2万4000円を想定している。

5日のNYダウも220ドル高で高値更新しており、日本は3連休だけに8日の米国市場が大きく下げなければ上方バイアスが掛かることになりそうだ。12日にオプションSQを控えて波乱含みの週となろう。日経平均指数オプションの1月限(最終売買日11日)の2万4000円のコールオプションが1月4日には1万1000枚の大商いしており建玉残高も1万2000枚建っているのが波乱要因だ。

今週の下値のサポートはボリンジャー2αの2万3400円。日経平均は5日時点で過熱ラインとされるボリンジャー3αまで達しているため、下げた場合はそれまでのゾーンである1αと2αの間のゾーンに戻る可能性がある。その次のターゲットは5日移動平均線の2万3136円。上抜けた場合はオプションの攻防ラインである2万4000円まで行く可能性もあるだろう。

今週のイベントは、日本では8日は成人の日の祝日、10日に10年国債、12日に40年国債の入札があり、12日がオプションSQ。海外では9日に3年債、10日に10年債入札がある。米国では10-12月期の決算発表が始まる。12日にJPモルガンチェースやウェルスファーゴなど金融大手の発表がある。

今週の経済指標は、日本では11日の11月景気動向指数、12日の12月景気ウォッチャー調査がある。海外では12日に米12月消費者物価指数、12月小売売上高、中国の12月貿易収支が注目される。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。