先週(1/4〜5)の東京為替市場では円が反落、東京インターバンク市場の5日17時のドル円レートは前週末比49銭円安の113円15銭だった。

年末年始に米国の好経済指標の発表が相次ぎ、世界の金融市場はリスクオンで株式が上昇、債券が売られて長期金利が上昇した。NYダウは連日で過去最高値更新し、2万5000ドルの大台を超えた。HK市場、英国市場なども過去最高値を更新、日本株も昨年来高値を更新し26年ぶりの高値をつけた。

一方、ドル円は膠着相場から抜け出せない。17年は108円と115円のレンジ相場だったが、10月以降は111円と114円のより狭いレンジでの商いとなっている。年末最終週から新年にかけては、米税制改正法案可決で材料出尽くし隣113円をはさんで方向感のない動きに終始している。

年末12月28日に発表された米12月シカゴ購買部協会景気指数は市場予想を大きく上回り11年4月以来7年ぶりの高水準、4日に発表された米12月ISM製造業景況指数も予想を上回り04年1月以来14年ぶりの高水準。もはや、米国の景況感には一点の曇りもなく、今年からさらに税制改革とインフラ投資増がさらに上乗せされる可能性が大きい。一方で、米インフレ統計は今一つ上がってこないため、好景気ながら金利の上昇はゆっくりという株式市場には最適な状態が続くが、為替には方向感がでない。

日本株がついに年初からボックス圏の上限を抜けた。原油価格も3年ぶりの62ドル台に上昇してきた。ドル円もそろそろどちらかに動き始める可能性が高いのではないだろうか?

日本の低金利継続、米国の利上げ3回をベースに、18年は円安に振れる可能性が高いと思うが、まずは昨年来のボックスの上限である114円を目指す展開を予想する。

先週(1/4〜5)の振り返り

為替展望
(画像=PIXTA)

4日の東京為替市場で円は小幅ながら4連騰、17時のドル円レートは前日比7銭円高の112円59銭だった。中東の地政学リスク、米国での在庫減少などでWTIの原油先物は3年ぶりの62ドル台を付けた。資源国通貨高からクロス円で円高になった側面もある。もっとも、日本株が海外株高からギャップアップして始まり700円を超える上げでボックスの上限だった2万3000円を抜いたため、一方的な円高になることはなかった。一日のレンジは29銭と小幅な動きだった。

5日の東京為替市場で円は5日ぶりに反落、17時のドル円レートは前日比56銭円安の113円15銭だった。 5日の株式市場で日経平均が26年ぶりの高値圏水準まで上げたため、低リスク通貨の円を売る動きが広がった。今年から欧州ECBのテーパリング(金融緩和の終焉)が始まる見込みだ。ユーロの経済指標は2月に発表したドイツ製造業のPMIが96年の統計開始後の最高となるなど強く、ユーロ高が進んだことも円安の背景だった。

先週の海外市場を振り返る

12月の米雇用統計で非農業者部門雇用者数(NFP)は14万8000人増とコンセンサスの19万人を下回った。もっとも今の市場はいいとこ取り。景気が堅調ながらも、利上げペースはゆっくりとの見方で株式が買われた。

5日のNYダウは4連騰、前日比220ドル(0.9%)高の2万5295ドルで引けた。3日連続で過去最高値を更新、今年に入ってまだマイナス知らず。

ドル円は、NFPが下振れたため一旦ドル売り・円高が113円02銭程度まで進んだが、往って来いとなりNY為替市場の引けは113円10銭と前日比30円の円安、東京の5日の17時比では5銭の円高とほとんどレンジ内の動きだった。

米長期債利回りは12月20日〜21日に2.5%の節目を付けた後に一旦2.4%程度まで低下していたが、2.48%程度まで再上昇しており、株高債券安となっている。NYのWIT原油は4日に15年5月以来の62ドル台に乗せたが、5日は4日ぶりに下落し61.44ドルで引けている。

今週(1/9〜12)の為替展望

今週のドル円の予想レンジは112円50銭から113円70銭のレンジを想定している。ドル円は、米税制改革法案可決で材料出尽くしとなり、年末以来113円を挟んで小動きだ。5日移動平均線、20日移動平均線、50日移動平均線が112円60銭から113円に集まってきており、そろそろ膠着相場から流れが出始めてもおかしくない。今週にも、5日移動平均線が20日、50日とのゴールデンクロスが示現しそうであり、抜けるとしたら円安方面だろう。

ドル円のサポートは、1月3日安値の112円50銭、ブレークした場合は112円。レジスタンスは12月高値の113円70銭どころ。抜けた場合は114円となりそうだ。

今週のイベントは、日本では8日は成人の日の祝日、10日に10年国債、12日に40年国債の入札があり、12日がオプションSQ。海外では9日に3年債、10日に10年債入札がある。

今週の経済指標は、日本では11日の11月景気動向指数、12日の12月景気ウォッチャー調査がある。海外では12日に米12月消費者物価指数、12月小売売上高、中国の12月貿易収支が注目される。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。