日経平均予想レンジ23,506~24,000円
新年相場は米国株が上昇を続けて最高値を更新したほか、韓国と北朝鮮による閣僚会議が開催されるなど、投資環境の改善により、日経平均は発会から3日続伸し、23,952円と1991年11/28以来、26年2カ月ぶりの高値水準を回復した。
その後、低調な内容の米物価指標を受けた111円台前半の円高進行を嫌気した売りに、23,588円まで売り込まれる場面が見られた。
海外の焦点
米国株は、良好な経済指標を好感して25,500ドル台に乗せた。1月ISM製造業景況指数が59.7(前月58.2)に上昇し、FOMC議事要旨ではFRBの利上げが緩やかなことが確認された。米税制改革による減税効果もあり、世界景気が一段と拡大するとの見方が株高を後押しした。
5日発表の12月米雇用統計は前月比14.8万人増と市場予測19万人増を下回った。ただ、11月は25.2万人増に上方修正され、直近3カ月の増加幅平均は20万人と好調だ。
FRBは1月末のFOMCでは12月利上げの影響を見極めるため見送るとの見方が強く、パウエル次期議長の就任(2月)以降、FRBが年3回を見込む利上げペースを加速するのかに注目が集まっている。
国内の焦点
東京市場は、2017年の株高の背景となった、米国株高、世界景気回復、金融緩和継続、企業業績拡大期待などを引き継ぎ、上値余地を探る展開は続きそうだ。日経平均は、昨年11月以降のもち合いを上放れ、約2カ月にわたる日柄調整を経たことで、新たな上昇相場入りが有望となった。経験則では、発会から3日続伸の3連勝となったことは、相場の強さの表れで、8割の確率で年足は陽線となっている。
年足は既に6年連続陽線となっており、強いアノマリーへの期待は膨らむ。更に、連日の窓開けで23,000円や23,500円を通過点とした相場付きは、トランプ相場が始まった時と似通っている。
チャート面では、高値で弱もち合いを示唆する小陰線を2本引いた。高値警戒感から利益確定の売りに調整気分が強まっているが、ファンダメンタルズ面からは大きな売り材料には至らないと見ている。高値23,952円のフィボナッチ比率38.2%押しに当たる23,538円付近までは、自律調整の範囲内と受け止め、下げれば押し目買いが支援すると考えている。
来週の株式相場
以上、来週はオプションSQを無難に通過し、世界的な景気回復基調や良好な企業業績を背景に押し目買い意欲は強い。ここはエネルギーを溜めて、再び上値を試す局面と捉えている。日経平均のレンジは、上値は節目の24,000円、下値は、1/4窓埋め23,506が目処となろう。
伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト