前週末のNY時間には、ECB(欧州中央銀行)の出口戦略や独連立政権樹立に対する期待を背景に欧州時間からユーロ高が進んだ流れを引き継いだこともあり、ユーロドルが1.22180ドル(当社レート)を示現し2014年12月29日以来の高値まで続伸しました。
昨日の海外市場動向
欧州時間では、ECB(欧州中央銀行)が今年序盤に金融政策運営スタンスをタカ派寄りに修正する構えを示していることを好感され、ユーロが続伸しました。ユーロドルは1.20ドル半ばから1.21ドル半ばまでじりじりと上値を拡大しました。
NY時間では、米・12月小売売上高、米・12月消費者物価指数などの注目の経済指標が強い内容だったこともあり、一時米10年国債利回りが2.59%台に上昇すると、ドル円は111.70円付近まで急伸しました。また、GDP算出に使われる小売売上高コア(自動車、ガソリン、建設資材などを除いたコントロール・グループ)の11月分が0.8%増から1.4%増に大きく上方修正されたため、10-12月期GDPに対する期待感が増幅したこともドル円をサポートしました。
しかし、NY時間午後にはいると、米長期金利が低下したことから円が一段高となり、ドル円は111円を割り込む動きになりましたが、結局111.037円(当社レート)でNYクローズを迎えています。
本日の東京時間では、黒田・日銀総裁が「2%の物価実現を目指して必要な時まで緩和を継続」「物価2%に向けて上昇率を高めていく」などの発言がありましたが、引き続き円高基調が継続しており、ドル円は110.70円を割り込む動きとなっています。
FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは73%に上昇しています。
今日の予定
本日は、米国が祝日となるため、NY時間に主要な経済指標は予定されていません。その他の海外時間では、ユーロ圏・11月貿易収支の発表、テンレイロ・MPC委員の講演が予定されています。
今後の見通し
独大連立政権の構築に向けた予備折衝は基本合意で終了し、本交渉に向けた準備段階が終了しました。独政局の安定状態が回復すれば、欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化に向けた動きも加速しやすいため、政策面の好循環を期待したユーロ買いが継続する可能性がありそうです。
ユーロドルの押し目待ち
前回の推奨戦略であるユーロ円135円台での利食いポジションは、一旦クローズとします。引き続き、戦略としてはユーロロングを想定していますが、現状はユーロ円よりもユーロドルの方が綺麗なトレンドがでていると考えられます。短期的なポジションとしては、1.2150ドル下抜けを損切りラインとし、1.2180ドル付近でのロングに妙味があると考えています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。