1月9~12日の東京株式市場は上値の重い展開となった。日銀が長期国債の買い入れ額を減額したことでテーパリング(金融緩和の縮小)観測が広がり、為替市場で円高が進行、日本株も伸び悩む展開となった。12日の日経平均は前週末比60円71銭安の2万3653円82銭で取引を終了した。

東証マザーズ「週間出来高」ランキング

それでは、今回は東証マザーズ市場の「週間出来高」ランキングをみていこう。

(1)ブライトパス・バイオ <4594> 822円 4776万1900株
(2)ジーエヌアイグループ <2160> 691円 3351万4000株
(3)メディネット <2370> 166円 2826万1100株
(4)イントランス <3237> 246円 2609万1700株
(5)ソレイジア・ファーマ <4597> 425円 2100万3400株
(6)ブランジスタ <6176> 2111円 1670万5700株
(7)アンジェス <4563> 687円 1523万2800株
(8)ナノキャリア <4571> 911円 1516万3300株
(9)バーチャレクス・ホールディングス <6193> 1280円 1009万0100株
(10)エヌ・ピー・シー <6255> 267円 791万6700株

※銘柄、証券コード、株価(12日終値)、出来高の順。

1月9~12日の東証マザーズ指数は前週末比45.52ポイント高の1295.72で取引を終了。東証1部とは対照的に堅調な足取りを示した。マザーズをはじめとする新興市場は値動きの良い銘柄が多く、個人投資家の物色意欲も旺盛なようだ。

なお、上記ランキングを業種別でみると医薬品が5銘柄で半数を占めた。その他はサービス業3銘柄、不動産と機械が各1銘柄だった。

ブライトパス・バイオ、日米の特許登録で活況続く

今回は上記ランキングからブライトパス・バイオ、イントランス、ブランジスタの3銘柄を取り上げる。

ブライトパス・バイオは福岡県久留米市に本社を置く創薬ベンチャー。iPS技術を用いたT細胞療法によるがん免疫療法製剤の開発に取り組んでいる。

昨年11月、ブライトパス・バイオは多能性幹細胞を用いた「免疫機能再建法」が米国に続き日本でも特許登録されたことを明らかにした。この情報をきっかけにブライトパス・バイオ株は人気化、12月は一服ムードが広がったものの、年明けに再び一段高となり、今回のランキングで1位となった。

創薬ベンチャーは、新興市場で最も人気の高いテーマの一つ。ブライトパス・バイオはその代表的な銘柄といえるだろう。

イントランス、カジノ関連株として人気再燃?

イントランスは中古物件の再生事業を主力とする不動産企業。賃貸事業や建物の管理事業なども手掛けている。

先週11~12日にかけてイントランス株は動意づいた。和歌山マリーナシティの一部施設について信託受益権を持つ同社は、これまでにも「カジノ関連株」として株式市場の注目を集めてきたが、再び人気化しているようだ。

ちなみに、和歌山マリーナシティは、和歌山湾に浮かぶ人工島で国内カジノ1号案件の候補の一つとして報じられた経緯がある。イントランスは今回のランキングで4位となった。

ブランジスタ、スマホゲーム「神の手」が150万ダウンロード突破

ブランジスタは電子雑誌の出版社。連結子会社であるブランジスタゲームはスマートフォン用クレーンゲーム「神の手」を運営している。

同社は、秋元康氏が総合プロデューサーを務める「神の手」が150万ダウンロードを突破し、App Storeの全アプリで1位となったことを明らかにした。ブランジスタ株は昨年12月26日から先週9日まで7営業日連続高となり、10日には一時2765円の高値を記録、12月25日終値(1321円)の約2倍に上昇する場面も見られた。

なお、東京証券取引所は12日の取引終了後に、今週15日の売買分からブランジスタ株の信用取引について委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)にすると発表している。(ZUU online 編集部)