個人投資家にとって、株価の値上がりや配当金とともに投資の楽しみの一つなのが「株主優待」だ。人気は年々高まっていると見られ、日本の上場企業およそ3700社のうち4割弱の1400社近くが同制度を設けている。実施企業数も割合も過去最高の水準だ。

とはいえ、株主優待の内容だけで投資先を決める投資家ばかりではない。やはり大切な資金を投じるなら、成長が期待できる企業、信頼できる企業に投資したいと思うもの。そう考える投資家が注目すべき企業がある。

通信企業にとどまらない「ライフデザイン企業」

それはKDDI <9433> だ。ご存じの通りauブランドを展開、「三太郎」シリーズのテレビCMでも知られるKDDIは、携帯電話事業や固定通信事業の大手企業だ。モバイル通信市場シェア業界2位、光ファイバー市場シェア業界2位、ケーブルテレビシェアはJ:COMブランドで半数以上を占めてトップだが、最近では「ライフデザイン企業への変革」を打ち出し、通信にとどまらず幅広く事業を展開し、「au経済圏」の拡大に注力している。

au経済圏とは、KDDIが提供する通信以外のサービスをauユーザーが利用することにより創出される経済圏のことで、オンライン領域においてはauスマートパスなどのデジタルコンテンツ、オフライン領域においては物販、エネルギー、金融、教育など、生活に密着するサービスで構成されている。このau経済圏の流通総額は2018年3月期3Qまでの累計で既に1.35兆円規模にまで成長している。

株主優待は「au WALLET Market商品カタログギフト」(グルメ品)

 au WALLET Market商品カタログギフト
(画像= au WALLET Market商品カタログギフトより)

まず同社の株主優待を確認しておこう。100株以上を保有すると、同社が厳選した全国47都道府県のグルメ品をラインナップした「au WALLET Market商品カタログギフト」が贈呈され、そこからお好みの商品を株式の保有数と保有期間に応じて選ぶことができる。

具体的には100株から999株持っている株主は、保有期間5年未満で3000円相当、5年以上の場合は5000円相当。1000株以上持っている株主だと、5年未満で5000円相当、5年以上で10000円相当の商品をカタログから選べる。たとえば10000円相当の商品では三重県の松坂牛 焼き肉用などが用意されている。長期保有することで優待金額も上がることから、長期投資家にはうれしい仕組みといえるだろう。

16期連続増益、増配も続く見込み。19年3月期には営業利益1兆円へ

優待内容の魅力が伝わったところで、KDDIの経営状況や成長性はどうなのだろうか。

実績面で大きな特徴として挙げられるのは、16期増益を続けている点だ。営業利益は、2001年3月期には988億円だったが、2017年3月期で9130億円に伸ばしており、2018年3月期には9500億円を予想している。格安スマホによる競争激化などマイナス要因もある環境の中で営業利益を増やし続けている点は見逃せない。また、配当金も2018年3月期には90円を予定しており、16期連続の増配予定だ。

(出所=KDDI発表資料)※16.3期以降はIFRSベース
(出所=KDDI発表資料、※16.3期以降はIFRSベース)

着実に成長している同社だが、今後の成長性に期待できるだろうか。同社の基本理念は持続的な「利益成長」と「株主還元強化」の両立だ。

優待や配当など、株主への還元を手厚くする企業の中には、事業内容や業界が成熟しており大きな成長は期待しづらいケースも少なくない。その点、KDDIは「株主還元」を強化しつつも、「利益成長」という旗をしっかり掲げ、実績も出し続けている。

2019年3月期に向けた中期目標をみると、「営業利益は年平均成長率7%(2019年3月期1兆円超)を目指す」「au経済圏流通総額2兆円超」などとしつつ、 株主還元の面でも「配当性向は35%超へ」「成長投資とのバランスにより、自己株式取得を実施」とうたっている。

利益成長と株主還元を実現するための3つの事業戦略

この目標を実現するために、事業戦略として「国内通信事業の持続的成長」を核としながら、「au経済圏の最大化」と「グローバル事業の積極展開」に取り組んでいる。

(出所=KDDI発表資料)
(出所=KDDI発表資料)

基盤である「国内通信事業」では、利用者の一人ひとりのニーズにあわせた新料金プランの導入や、グループ会社が運営するMVNOブランド「UQ mobile」などを通じて格安スマホ市場にも注力しており、今後はIoTや5G時代に向けた取り組み、投資を本格化させる。au経済圏の最大化を目指す「ライフデザイン事業」においては、「Wowma!」、「au WALLET Market」及び「ショップチャンネル」による“物販”、「au でんき」などの “エネルギー”、「auのほけん」、「auのローン」などの“金融”といった、生活にかかわるあらゆるサービスを提供している。「グローバル事業」では、法人向けには世界12の国・地域、23都市、47拠点(2017年12月31日現在)のデータセンター事業、個人消費者向けにはミャンマーやモンゴルなど成長が期待できる国での事業などに注力している。

優待内容はもとより、16期連続増益・増配(予定)を成し遂げるなど事業成長の側面でも評価できるKDDI。株価も2018年2月8日現在、ここ数年では割安な水準(PER約11倍)にある(最新の株価はこちら)。同社の優待の権利を受けるには2018年3月27日までに買付(約定)が必要だ。持続的な利益成長と株主還元強化の両立という企業特性、そして優待内容に関心がある投資家は、まずチェックしてみてほしい。

(出所=KDDI発表資料。株式分割調整後の値=小数第3位以下を四捨五入) *2018年3月期配当予想=2017年5月11日発表=と2018年3月期EPS予想=2018年1月31日発表=より算出
(出所=KDDI発表資料。株式分割調整後の値=小数第3位以下を四捨五入) *2018年3月期配当予想=2017年5月11日発表=と2018年3月期EPS予想=2018年1月31日発表=より算出

>> KDDIの優待内容について詳しく知る