昨日の海外時間には、米国市場が休場で薄商いが続く中欧州株価が下落したことなどから、リスク回避でドル買いが強まる場面もありましたが続きませんでした。東京時間にはいって、日経平均は下落していますが、米長期金利が上昇していることから円売りが優勢となっています。
今後の見通し
昨日、やや落ち着きを取り戻した市場の中で、先週のように円買いが続かないのでは、と書きましたが、これまでのところはドル円は底堅い動きになっています。今晩のNY株式市場次第という面はありますが、急落前の高値110.50円付近から先週金曜日の安値105.50円台までの下落の38.2%戻しの107.40円付近まではこのまま反発すると予想しています。ただ、2月後半から3月中旬にかけては、年度末要因で本邦企業などが、海外子会社から利益金を送金したり、米国債の利払いがあったりすることから季節的に円買い需要が高まりやすい時期なので、あまり大きな上昇は期待できないと考えます。
ドル円もう一度押し目買い
昨日は106円割れでの押し目買いを目指しましたが、あまり下がらずに成立しませんでした。今日も引き続き107円台までの戻りを狙って、106.40円での押し目買いを目指します。損切りラインは106.20円、利食いは107.40円です。もし107.40円まで上昇すれば、ポジションのあるなしに関わらず、今度はドル売りポジションを作ります。その場合の損切りラインは108円です。
昨日の海外市場動向
欧州時間、東京時間午後から円売りが優勢となった流れを引き継いで、ドル円は106.60円台まで、ユーロ円は132.30円台まで上昇しました。しかし株式市場がやや軟調な展開となると円買いが優勢となって、ドル円は106.40円台まで、ユーロ円は132.10円付近まで反落しました。
その後米市場が休場で薄商いの中、各国株価が一段安となるとリスク回避でドル買い、円買いが強まって、ユーロドルは1.2420台から1.2360台まで、ユーロ円は131.90円付近まで下落し、ドル円は106.70円台まで上昇したあと日経平均先物が下落したことを受け106.50円付近まで下落しました。
NY時間午後にはいると、株価がやや反発したことからリスク回避が後退してドル売り、円売りが優勢となって、ドル円が106.50円台のレンジ取引を続ける中、ユーロドルは1.2410台まで、ユーロ円は132.30円付近まで反発しました。
東京時間にはいってからは、米長期金利が上昇して円売りが優勢となっています。
今日の予定
今日の海外時間には、独・1月生産者物価指数、独/ユーロ圏・2月ZEW景況感調査の発表が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。