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海運業界の近況

リーマンショック後の景気低迷を受け、世界規模で海運物流の需要が激減していましたが、現在は順調な回復基調をたどっています。コンテナ船を中心とした定期船事業では、価格競争の激化により収益を上げることが年々難しくなっていますが、不定期船と呼ばれるバラ積み船が中国の好調な粗鋼生産や、新興国の資源需要増の影響で予想以上の収益をもたらしています。

話題はがらりと変わりますが、2014年に海運業界には大きなニュースがあったことをご存知でしょうか。日本郵船など海運事業者4社が価格カルテルを結んでいたとして、公正取引委員会より独占禁止法違反により課徴金支払いを命じられると共に、排除措置命令が下されました。なんと課徴金総額は4社で227億円です。この課徴金の支払いは回復途上にある各社決算にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。主要企業の決算状況を確認してみましょう。


注目企業の決算まとめ 前編

①日本郵船< 9101 >

売上高は2兆2,372億円となり前連結会計年度比17.9%増、営業利益も449億円と158.1%増、経常利益に至っては584億円と229.4%増と大幅な増収増益の決算発表となりました。前述の独占禁止法違反関連の引当金繰入額131億円を特別損失に計上しましたが、当期純利益は前連結会計年度比74.9%の141億円増加となり、特別損失の計上による業績への影響は過大なものとはなりませんでした。

②商船三井< 9104 >

商船三井も日本郵船と同様に順調な業績発表を行いました。売上高は1兆7,294億円となり前連結会計年度比14.6%増となりました。営業利益は410億円、当期純利益は573億円となり前期の赤字決算から黒字へと転換しました。商船三井本体は独禁法違反の課徴金支払および排除措置命令を受けていませんが、対象となった商船三井の連結子会社はリーニエンシーと呼ばれる課徴金減免制度を利用して課徴金の減額を受けたと発表しています。しかし、課徴金の支払いも連結決算に及ぼす影響は微々たるものでした。