毎月の給料から、貯金をしている人は多いかもしれません。しかし、「いくら貯めればよいのか」としっかりゴールを決めている人はどれくらいいるでしょうか。さらに、そのゴールに達したら何かよいことがあるのでしょうか。

貯金をはじめるにしても、目的を明確に決めていないといつまで経っても安心できませんし、達成感も味わいにくいでしょう。そこで、重要になってくるのが、「人生の目標」「貯金の目的」を立てることです。これを機会に「何のために貯金をするのか」について改めて考えてみませんか?

老後の生活費だけ?最初に考えたい人生の目標

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(画像=William Potter/Shutterstock.com)

貯金をしている人が意識しているのは、まとまったお金が必要となる将来のことでしょう。子どもがいる場合は、子どもの教育費のために数百万円が必要になってきます。そのため、児童手当の貯金や学資保険などの形でお金を貯めることは一般的です。他にも、マイホームの購入を夢見ている人は、頭金や住宅ローンの返済を見越して数百万円から数千万円の貯金を目指しているかもしれません。

数十年後、すなわち老後の生活に不安を感じて貯金するケースもあります。内閣府の「国民生活に関する世論調査」(2016年版)によると、日常生活の悩みや不安を感じている人のうち、54.0%の人が「老後の生活設計について」悩みや不安を感じていると回答しています。確かに、年金制度が自分の老後まで安泰とは限らないと考え、生活費を貯金から切り崩してまかなうことを念頭に置いて、今からコツコツと貯金や資産運用を行っている人も多いはずです。

しかし、最終的な目的がないと、貯金を続けても安心感がありません。仮に「3,000万円を貯める」と目的を立てても、3,000万円を達成したら次は5,000万円、5,000万円を達成したら……と、お金に追われるように貯金を続けてしまいがちです。貯金自体が目的になってしまうのを避けるために、究極的な人生の目標を立てておくことが重要といえます。

何のために貯める?目的を立ててから貯蓄を始めるメリット

人生の目標から逆算して貯金・資産運用に励むことで、具体的な資産額の水準や達成時のメリットを明確化できます。「いつまでにいくら貯めるのか」など、具体的な目標値が決まってくるのです。そして、それが達成されれば「何が自分にとってよいことなのか」も、はっきり意識できるようになるでしょう。

貯金や資産運用ひとつにしても、具体的な目標があると取り組みやすくなります。なぜなら、例えば「65歳までに資産総額を3億円にする」と具体化・数値化することで、進捗を随時チェックすることが期待できるからです。つまり、目標金額の達成確率を上げられるメリットがあります。

他にも目的があれば、限界効用逓減の法則を乗り越え、貯金の過程も充実する点もメリットです。限界効用逓減の法則とは、お金でいうと「資産が大きいほど、同じ金額を貯金しても満足感が低くなる」ということを指します。たとえば、資産5万円の人が月に10万円貯めれば、その満足度や充実感はとても大きいでしょう。しかし、資産5億円の人が10万円貯めたところで、充実感はないはずです。

しかし、目的を意識しながら貯蓄に励むことで、「ゴールに近づいている」という充実感を覚えることはできます。資産が増えても、貯蓄できたこと自体に満足できるので、途中で怠けてしまう可能性が少ないのです。

大事なのは貯金で「幸福」になること

結局、貯金したり資産運用したりして貯めたお金は、人生を豊かにするための手段でしかありません。人生の目標は人それぞれであり、そこに優劣はないでしょう。しかし、個人差を超えていえることは、貯金によって幸福になることの重要性です。

仮に5億円貯められたとしても、家族を捨て、友人を裏切り、知人に背を向けてしまったら、たいていの人は自分を幸福だとは思わないかもしれません。大事なのは、幸福につながるお金の貯め方をすることです。目的がないと、お金を貯めた先が見えなくなってしまいます。

普段生活している際は、人生の目標のように大きなテーマを意識することは少ないでしょう。しかし、折に触れて「何のために貯金しているのか」と自問することで、貯金の目的や進捗度を自らチェックして自分の向かう方向性を調整できるのです。(提供:Incomepress


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