「オシャレは足元から」という言葉がよく使われるように、ファッションにおける靴の重要性は高いと言われている。紳士靴と言えば、イタリアとイギリスの靴が有名だが、富裕層に限ってみると、英国靴を愛用している人が多いようだ。今回は、そんな英国靴の魅力に迫りたい。

富裕層,紳士靴
(画像=bondvit/Shutterstock.com)

なぜ靴は「身だしなみにとって重要なポイント」なのか?

そもそも、なぜ「オシャレは足元から」と言われるのだろうか。

一説によると、江戸時代、通常時は草履を履くことが多かったそうだ。しかし、遠方への旅に出るとなると、草履だけでは心もとなく、足袋と草履を合わせたような草履を履いて出かける、といったこともあったらしい。

そのように、TPOに応じて靴を履き替えることができるのが、洒落物だということから、この言葉が生まれたと言われている。また、「足元を見る」ということわざもあるように、そもそも足先や手先と言った部分は、目につきやすいのかもしれない。

特に日本の場合、家の中に出入りする際は靴を脱ぐ。それだけ靴に注目される機会が多いということだ。こういったことからも、靴は目に触れる機会が多く、それゆえ靴だけがボロボロだと、全体として貧相な印象を与えてしまう。富裕層ほど、靴はきちんと手入れしていることが多いものだ。

イギリスとイタリアの靴の違いとは?

紳士靴の2大産地として挙げられるのは、イタリアとイギリスだろう。たとえばイタリアであればフェラガモなど、有名ブランドの靴も多い。しかし、富裕層に人気なのは、やはりイギリスの靴なのだ。ここで、イギリスの靴とイタリアの靴の特徴を紹介しよう。

最も大きな違いは製法だ。イタリア靴はマッケイと呼ばれる製法なのに対し、英国靴はグットイヤーウェルトと呼ばれる製法で作られることが多い。マッケイ製法は、もともとイタリアのマルケ地域での伝統技法であり、靴のソールと中底、そして甲の部分のレザーを一気に縫うという手法である。軽くて、繊細な印象になるのが特徴だ。

一方グッドイヤーウェルとは、ソールの外側に、コパと呼ばれる細い革を縫い付け、コパと中底と甲の部分を縫う、という製法だ。重厚で丈夫な靴ができることが特徴で、イギリスの他、アメリカでもこの製法が使われている。

マッケイとグッドイヤーの最も大きな違いは「ソール(靴底)の張替え」だ。一般的に、靴はソールから消耗するため、ソールの交換ができるようになっている。グッドイヤーはソールの交換を前提に作られているため、マッケイに比べてより長く使うことができる。また、せっかく馴染んだ甲の部分を長い間使えるというメリットもある。

モノを良く知り、本当にいいものを長く使う。富裕層ならではの選び方であるといえるだろう。

イギリスの2大ブランド「エドワードグリーン」と「ジョンロブ」

そんな英国靴の中でも、もっとも高級で、富裕層に愛されているのが「エドワードグリーン」と「ジョンロブ」だ。

エドワードグリーンは1890年に創業した靴屋であり、「でき得る限りの上質を求める」をコンセプトにモノづくりを行っている。特に、「Dover」と呼ばれるシリーズは、高度な技術と上質なレザーでないと使われない「スキンステッチ」という技法で作られており、日本でもファンが多いシリーズになっている。

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(画像=エドワードグリーン公式ホームページ)

一方ジョンロブは、1866年創業で、現在はエルメス社の傘下にある。職人の技術や高いサービスをベースに、高級靴を世界中で販売している。ジョンロブといえば、ウィンザー公が愛用し、ダブルモンクストラップの「ウィリアム」がベースとなっている「ウィリアム2」と呼ばれるシリーズが人気となっている。

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(画像=ジョンロブ公式ホームページ)

どちらも数十万円のモデルがずらり

この2つのブランドは、広く知名度があるというわけではないだろう。しかし、それぞれの公式ホームページを見てみると、1足数十万円する靴が並んでいたことからも分かるように(2018年4月現在)、富裕層のためのブランドと言える。

「オシャレは足元から」の言葉通り、富裕層は足元であっても決して気を抜かず、丁寧に手入れされた靴を履いていることが多い。その中で、何度も直すことを前提に作られているイギリスの靴が人気なのも頷けるだろう。特に「エドワードグリーン」と「ジョンロブ」の靴は、富裕層ならずとも一度は履いてみたい靴であるといえよう。(ZUU online 編集部)