資産階層によって違う資産管理の方法
富裕層がどのようなお金の使い方をしているのかを見てきたが、一方でどのように資産を管理し、増やしているのだろうか—。富裕層と言っても住宅・高級車・ビジネス・年金・生命保険・不動産・流動資産など、投資対象や配分にもそれぞれ違いがあるようだ。
米連邦準備制度(FRS)が2016年に実施した消費者金融調査を基に、富裕層の資産と投資傾向を1万〜10億ドルの資産別にみてみると、富裕層が複数の商品に投資することで資産を増やしていることがよく分かる。ここから見えてくる「財産をふやす秘訣」を学んでみよう。
資産1000万ドル以上の富裕層は投資を重視
この調査は連邦準備制度のデータから、市場情報サイト「Visual Capitalist」が作成したもの(2018年1月19日付記事 )。
「資産1万ドル以上〜10万ドル以下」層の主要な投資対象は自宅で、資産の4割を投じている。住宅に次ぐ資産として、1万ドルの層は高級車、年金、流動資産への投資に重点を置いており、10万ドルの層は年金、高級車と流動資産は同じくらいの比重、ビジネスや不動産への投資も活発におこなっている。
100万ドルの層は住宅と年金が最大の投資で、僅差でビジネス 、不動産や投資信託が占める割合はそれより少し低い。
1000万ドルの層になると様子ががらりと変わる。4割をビジネスに投じ、次点は投資信託ミューチュアルファンド。不動産と株がそれに続く。
1億ドルの層は5割がビジネスで、残りは投資信託と株。10億ドルの層は6割がビジネス、株、投資信託という割合だ。
資産額が大きくなればなるほどビジネスへの投資が増え、資産が少ない富裕層ほど住宅への投資に比重を置いていることになる。