「人生は山あり谷あり、億万長者になるか貧乏農場に行くか」1968年に発売された、タカラトミー社人生ゲームCMの有名なフレーズだ。

衝撃的なフレーズ「貧乏農場」はその後使われなくなったが、「億万長者」の方はちょうど50年経った現在でも、8年ぶりにリニューアルした7代目人生ゲームのキーフレーズとして使われている。

富裕層,プライベートバンク
(画像=SFIO CRACHO/Shutterstock.com)

資産1億円以上が富裕層の目安

日本では、野村総合研究所が公表している「純金融資産の保有額による階層分類」が富裕層の基準として定着しているようだ。

具体的には日本の全5300万世帯をマス層(純金融資産3千万円未満)・アッパーマス層(3千万円以上5千万円未満)・準富裕層(5千万円以上1億円未満)・富裕層(1億円以上5億円未満)・超富裕層(5億円以上)に階層化する。

ここ数年、アベノミクスの影響もありお金持ちは増え続けている。超富裕層・富裕層合わせた世帯数は2015年現在122万世帯で、リーマンショック後の85万世帯より4割以上増えた。

増えたといっても超富裕層・富裕層は、全世帯の2.3%を占めるに過ぎない。ところが彼らの純金融資産保有額は272兆円、全世帯1400兆円の2割近くを占めている。「資産1億円以上=富裕層」は日本で定着した感があるが、グローバルスタンダードはどうなのか。

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プライベートバンクの基準は27億円

お金持ちしか相手にしないプライベートバンク、2500万ドル(27億円)の資産があれば顧客として認めてもらえるという意見もある。ただしこれはプライベートバンカーからスタンダードなサービスを受けることができる最低ライン、新幹線でいえば自由席といったところだ。

ハイクラスのサービスが受けたければ1億ドル、最高級がお望みなら10億ドルが必要といわれている。

確かに「数百万ドルの資産しか持たない顧客は相手にしない」ワケではないが、著名なプライベートバンク「ノーザン・トラスト」によると、顧客の半数以上を資産1000万ドル以上で占めているそうだ。

北米における富裕層の中で、今後最も増えると予測されるのは資産2000万ドル〜1億ドル、次いで1億ドル以上の階層だ。アジアでの伸びはさらに著しい。プライベートバンクはどこも、こうしたトレンドを受けて、サービスを提供する顧客の資産基準を引き上げている。ちなみに1990年代には、300万ドル持っていればスーパーリッチとみなされていた。お金持ちの基準は様変わりしたのだ。

プライベートバンカーは顧客に対して、限られた人々しか入れないコミュニティーへの扉、事業成長へのサポート(顧客には経営者が多い)、子息への教育サポート、プライベートジェットを含めたオリジナル旅行の企画、高級介護施設や医療設備の斡旋、慈善活動の支援など、実にさまざまなサービスを提供している。ところが、富裕層とプライベートバンクにも厄介な天敵がいる。課税当局だ。

国税庁はフォーカスを「年間所得1億円以上」に絞る

国税庁は、東京・大阪・名古屋の3国税局に「富裕層プロジェクト」を設置、メンバーは約200人で、本庁にも「国際課税企画官」を置く力の入れようだ。2016年度には4188件、441億円の申告漏れを摘発するなど、成果を上げているという。

ところでプロジェクトの調査対象となる富裕層の基準だが、「年間所得1億円以上」の他、「有価証券の年間配当4000万円以上」「相続により取得した資産5億円以上」など、ストックというよりむしろフローにフォーカスを当てている。

プライベートバンクだけではなく国税当局も、金融資産1億円以上というだけでは「富裕層」として扱わない、そんな時代が到来している。(ZUU online 編集部)

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