はじめに
「お金持ちになりたい」。子供の頃、七夕の短冊にそんな願い事を書いた人もいるだろう。もしかすると、大人になった今でも、億万長者を夢見て宝くじを買い続けているかもしれない。
しかし、「お金持ちになりたい」と願っても、「お金持ちになるには何をすればいいのか」を真剣に考え、実行したことがある人は少ないのではないか。逆に言えば、それをしなければ、よほどの幸運に恵まれない限り、「お金持ち」への道は開かれないのかもしれない。
一般的に「お金持ち」と呼ばれる富裕層の人たちがどんな暮らしをしているのか、どのような考え方を持っているのか、紹介していきたい。
資産数億ではまだまだ?プライベートバンクや国税当局が考える富裕層とは
一口で「お金持ち」や「億万長者」などというが、そもそも、富裕層に定義はあるのだろうか。どのくらいの資産があれば、富裕層と呼ばれるのだろうか。
資産1億円以上が富裕層の目安
日本における富裕層の基準としては、野村総合研究所が2年ごとに公表している「純金融資産の保有額に基づく世帯階層」がよく知られている。
具体的には日本の全世帯をマス層(純金融資産3千万円未満)・アッパーマス層(3千万円以上5千万円未満)・準富裕層(5千万円以上1億円未満)・富裕層(1億円以上5億円未満)・超富裕層(5億円以上)に階層化している。
野村総合研究所によると、ここ数年、アベノミクスの影響もあり日本の富裕層は増え続けている。2016年の調査では、超富裕層・富裕層合わせた世帯数は2015年現在約121万7千世帯で、リーマンショック後の約83万5千世帯の1.5倍近くになったという。
しかし、増えたといっても超富裕層・富裕層は、全世帯約5290万の2.3%を占めるに過ぎない。ところが彼らの純金融資産保有額は約272兆円、全世帯約1400兆円の2割近くを占めている。
日本では「資産1億円以上は富裕層」というイメージが定着した感があるが、グローバルスタンダードはどうなのか。