注目を集める幼児への音楽教育
富裕層のこだわりは、子供に対する教育にも見られる。子供に対する良質な教育こそが最大の財産と考えているからだ。中でも、最近は幼児期での音楽教育が注目を浴びている。
幼児期の音楽教育は脳にいい影響を
音楽は昔から、富裕層のたしなみだった。ヨーロッパでは富裕層が音楽家を支援し、自らも音楽の演奏を楽しんだ。日本でも明治以降、音楽は上流階級が身に着けるべき教養とされ、子供たちはピアノやバイオリンを学んだ。
その後、音楽は情操教育として庶民の間に広がり、戦後、の庶民の生活が豊かになると、民間の音楽教室の増加に従い、ピアノを習う子供たちも増えていった。現在でもピアノは子供の習い事の上位に入っており、東大合格者の約半数が子供の頃にピアノを習っていたとのアンケート調査が公表されて、話題になったこともある。
そんな中、音楽と学習能力の相関性に関する研究が盛んに行われている。 たとえば2002年には、言語と音楽に強い関連があるという研究結果が発表された。単語の音を分析するテストと、音楽のリズムを分析するテストを行った結果、それぞれの結果には相関があり、単語の音を分析するのが得意な子はリズムやメロディーを分析する力もあるという。
また、音楽は記憶力や社会性を育むのに、良い影響を与えているともいわれている。こちらは2006年に発表された研究だが、親子参加型の音楽プログラムに参加した子供と参加しなかった子供で記憶力を比べた結果、プログラムに参加した子供の方が高い記憶力を持つようになった、という研究成果ある。