沖縄,インバウンド
(画像=sunabesyou / shutterstock.com)

目次

  1. ひとつの節目 観光客数でハワイ越え
  2. 観光客増加は地価高騰に波及
  3. 訪日客増加がリゾートでの定住を促す
  4. 客単価向上が今後の課題

2017年、沖縄が、観光客数でついにハワイを抜いた。訪日外国人による効果は地価に波及、リゾートでの定住にもつながっている。

一方で高付加価値の提供という面では、まだまだハワイにはかなわない。客単価の向上に向け、ハワイ並みの滞在日数実現につながるような今後の努力が求められる。

ひとつの節目 観光客数でハワイ越え

2018年1月31日、ハワイ州観光客は2017年の観光客実績が938万人だと発表した。沖縄県文化観光スポーツ部によると、2017年の入域観光客数は約958万人と発表しており、同県が初めてハワイを上回ったことになる。沖縄県は、ハワイを目指して観光産業の育成に力を注いできた。それだけにハワイを数で抜いたことは、大きなエポックメーキングな出来事だったのである。

県の発表によると、2017年の外国人観光客数は269万人。前年に対し56.3万人増と26.4%増加している。とくにアジア勢の影響は大きく、全体の8割以上を占める台湾・韓国・中国・香港の4か国はいずれも過去最高を更新した。この4か国の各都市と沖縄を結ぶ直行便の新規就航および増便が空路客の増加につながり、クルーズ船の寄港も増えている。

2006年外国人観光客の総数は僅か9.2万人だった。それがここ10年余りで25倍以上の269万人に増加している。2018年も台湾・高雄との直行便就航や、クルーズ船の増便が予定されており、この勢いの持続は堅そうだ。

観光客増加は地価高騰に波及

インバウンド効果に湧く沖縄では、地価も高騰している。2018年の公示地価は住宅地・商業地とも5年連続で増加し、今後も高くなる見通しだ。

住宅地上昇率は5.5%で、全国平均0.3%を軽く上回り、47都道府県中第1位である。127地点のうち値下がりしたのは僅か2地点のみ。那覇市の高騰が周辺地区にまで及んでいるうえ、北谷・八重瀬・宜野湾地区での再開発も地価高騰につながった。

商業地5.6%は京都府に次ぐ全国第2位で、こちらも全国平均商業地1.9%を超える。那覇市の中心街国際通りでは上昇率が20%を上回り、周辺の浦添氏や宜野湾市にも影響が拡がっている。

この地価高騰は、本島だけでなく離島地域にまで及び、石垣空港の供用開始効果が続く石垣市や人気のリゾート宮古市の上昇が目立つ。

訪日客増加がリゾートでの定住を促す