世界最大級のホテル予約サイトHotels.comは、中国人旅行者の動向についてのアンケート調査「Chinese International Travel Monitor(CITM)」の結果を発表した。2016年の中国人の海外旅行者数は1億2200万人にも達しており、その影響力は非常に大きい。調査では、中国人旅行者の動向に変化が生じている可能性を示唆している。

中国人旅行者が今後12カ月で訪れたい国 フランスと米国が首位に

中国人,旅行者
(写真=Beer502/Shutterstock.com)

中国国家観光局によると、2016年の中国人の海外旅行者数は、前年比4%増の1億2200万人に達した。日本の総人口に匹敵する規模となっており、各国の経済に与える影響力は非常に高まっている。Hotels.comでは、こうした中国人旅行者の動向について調査を行っており、調査結果をまとめたCITMは今年で6回目となる。

今回の調査ではまず、中国人旅行者が旅行への支出を惜しまない姿勢が表れており、旅程についても長期化の傾向がある事が伺える。1年間の旅行回数は昨年調査時の平均3回から4回へと増加しており、1回の旅行に費やす日数も平均5日から7日へと増加している。過去12カ月の旅行支出額は前年比4%増の3600米ドルと、平均収入の4分の1を超す割合となっている。1日あたりの旅行支出も前年比8%増となっており、更に中国人旅行者は今後12カ月の旅行支出を約10%増加させる意向を示している。ミレニアル世代を中心に旅行への意欲は非常に高い。

調査では中国人旅行者が今後12カ月の間に訪れたい国も発表された。1位に輝いたのはフランスと米国で共に18%の回答を得た。フランスは前年9位、米国は同12位となっており、大きくランクを上げた。3位はこちらも同率でオーストラリア(前年1位)とカナダ(前年17位)が16%となった。日本は10%の回答を得て7位となっており、前年の2位からランクを落とした。フランスや米国、カナダといった地理的に遠い欧米諸国が大きくランクを上げており、中国人旅行者のより遠い国への旅行意識が高まりつつある事が分かった。

2016年の訪日中国人旅行者は前年比27%増 サービスレベルの高さが要因?

同調査では、中国人が最も歓迎を受けたと感じた国のランキングも発表されている。中国人旅行者への印象の良かった上位10カ国は次のようになっている。

10位 カナダ (前年順位11位)
9位 シンガポール (同10位)
8位 モルディブ (同7位)
7位 フランス (同6位)
6位 韓国 (同2位)
5位 米国 (同9位)
4位 香港 (同3位)
3位 オーストラリア (同4位)
2位 日本 (同1位)
1位 タイ (同5位)

前年1位の日本はワンランクダウンの2位となっている。日本のおもてなしの心への評価は高いものの、その地位は圧倒的では無くなっている事が伺える。日本に代わり、1位となったのはタイである。前年の5位から大きくランクアップした。ホテル等でのサービスレベルの向上が理由であろう。タイへ訪れる中国人旅行者は増加傾向にあるが、地理的な近さに加え、こうした歓迎の心も評価されていると見られる。一方、韓国は前年2位から大きく順位を落とし、6位となっている。地理的には非常に近い位置にあるが、ここ最近中国人旅行者が減少傾向にあるのは、このような印象の低下も原因となっている可能性がある。

日本のホテルは設備も整っており、またサービスも充実している。例えば、日本のホテルでは中国を中心に普及しているクレジットカードであるユニオンペイの決済サービスを提供しているホテルも多い。他国の普及率が18%であるのに対し、日本は約48%のホテルでユニオンペイでの決済が可能だ。そうした点が中国人旅行者に評価され、歓迎を受けたと感じている理由と見られる。

調査では日本のホテル経営者へのアンケートも行っており、そこからも日本のホテル業界の中国人旅行者への配慮が見て取れる。回答者の38%は今後も中国人旅行者向けに設備を拡充すると回答している。中国語表記を増やすという回答が22%と最も多かった。また、中国人旅行者からの要望については、無料Wifi(74%)が最も多く、朝食(55%)、中国語を話せるスタッフ(31%)、中国語の資料(24%)と続いた。日本では多くのホテルがこうした要望を叶えるサービスを提供しており、こうした点が高評価につながっている。回答者の23%は中国人旅行者が以前よりその土地ならではの文化やアクティビティーに興味を持つようになったと回答している。中国人旅行者の旅行目的にも変化の兆しが見られる中で、観光情報の提供等、旅行者がホテルに求める期待はますます大きくなる可能性もある。

日本政府観光局によると、2016年に日本を訪れた中国人旅行者数は前年比27%増の637万3564人となっている。全訪日外国人の26.5%を占め、国別で首位となる。日本の経済に与える影響も大きく、政府が訪日外国人の増加を目指す中、中国人旅行者は非常に重要な存在である。今後も訪日中国人旅行者を呼び込み続ける為には、サービスレベルの維持、向上が欠かせない。(ZUU online編集部)

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