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(写真=Thinkstock/Getty Images)

訪日中国人観光客の変化が大きな話題を呼んでいる。実際に大きな影響を被った日本企業も多い。今後もさまざまな波紋を描いていくことになりそうだ。日本への嗜好が変化した、と捉えるだけでは不足で、中国人そのものの変化に踏み込むことが必要だろう。とはいえ、まずは現状から検証していこう。

爆買いの変化は急速

中国のネット辞書にも「爆買い」はある。ただし初出から7回更新されただけ、それも2016年1月16日が最終更新である。日本で騒がれた言葉の解説として載せたものの、もはや誰も関心はなさそうだ。内容は2015年の分析である。中から面白い表現を拾って見ると、

「近年、海外での買い物は、80后・90后にとって生活潮流の1つとなっている」
(80后、90后はそれぞれ1980年代生まれ、90年代生まれ)
「2014年までの温水洗浄便座から、2015年には、感冒薬、メガネ、アイマスク、文具、ベビー用品などに変化した」
「日本の大型ショッピングセンターでは商品の20~30%が中国製、小さな日用品店では80%が中国製というケースさえある。我々は中国製品の運搬夫をしているだけではないか。」
「日本製品には独特の吸引力がある。消費者重視の設計、またサービスにおいては“上帝”の扱いを享受できる」

などだが、すでに古臭い表現ばかりだ。変化のスピードはとても早い。

安泰なのは日用品

代表的なインバウンド銘柄、ドン・キホーテホールディングス <7532> は、8月18日の記者会見で「インバウンド消費は変わらず堅調、今後もシェア拡大と売上増を見込む。」と述べた。需要に合わせ、品揃えの強弱をつけていく。これはブランド時計・バッグから電化製品、日用品、食品、医薬品まで幅広く品揃えしているからできることだ。高級品に特化した百貨店や、家電量販店には真似できない。

当然メーカーも真似できない。電気炊飯器、ステンレスボトルで長年インバウンド需要をけん引した象印 <7965> は、昨年秋からすでに免税売上高は前年割れだった。

変化のない商品群もある。中国では、化粧品や美容グッズ、シャンプー歯磨きなどの日用の買回り品は大変高価だ。昨年、中韓FTAが発効し、韓国産化粧品の税率は低下した。しかしそれだけでは不足で、日本製を何とか安価で手に入れたい。ドン・キホーテもリピート客への便宜を打ち出した。これらのセグメントは日本商品の砦として最後まで残るだろう。