昨日の海外時間には米長期金利が上昇したことからやや円売りが強まったあともみ合いとなりました。今日午前には五十日(ごとう日)の仲値ということもあって円売りが強まる場面もありましたが、その後は円が買い戻されています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

訪朝したポンペオ米国務長官と金正恩北朝鮮労働党委員長が会談し、北朝鮮で拘束されていた米国人3人が解放されました。また、米朝首脳会談が6月にも中立国のシンガポールで行われる可能性が報じられるなど、北朝鮮の融和的な態度が見られ、東アジアの地政学的リスクが遠のいていると見られることが円買いが続かない原因の一つと考えられます。また、武田薬品やリクルートによる海外企業買収に絡んだ円売りの思惑も円の上値を重くしていると考えられます。ただ、米長期金利も3%前後から上昇できない状況が続く中、ドル円は110円を大きく上回っていく勢いもないと考えられます。

今晩行われるBOE(英中銀)金融政策委員会(MPC)では、金融政策の変更は行われない見通しです。

109円台中心のレンジ取引を前提にした取引戦略

まだしばらくは109円台を中心としたレンジ取引が継続すると考え、110.00円ではドル売り円買い、108.80円ではドル買い円売りのポジションをそれぞれ30銭の損切りで作りたいと考えています。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、東京時間終盤の流れを引き継いで、米長期金利が上昇する中ドル買いが優勢となって、ドル円は109.80円付近まで上昇し、ユーロドルは1.1820台まで下落しました。しかし米長期金利の上昇が止まると、ドル円は109.70円台を中心としたもみ合いとなった一方。ユーロ買いが強まって、ユーロドルは1.1890付近まで、ユーロ円は130.40円台まで上昇しました。

NY時間、特段の新規材料はありませんでしたが、ユーロが売り戻され、ユーロドルは1.1840台まで、ユーロ円は129.90円台まで反落しました。

東京時間にはいって、五十日ということもあってか仲値絡みで円売りが強まりましたが、仲値決めが終わると円が買い戻されています。

今日の予定

今日の海外時間にはBOE(英中銀)金融政策委員会(MPC)が開催され、金融政策の発表と、英中銀四半期インフレ報告、議事録の公表、カーニー・英中銀総裁の会見が行われるほか、英・3月鉱工業生産、英・3月貿易収支、米・4月消費者物価指数、米・新規失業保険申請件数の発表が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp