決算発表も一巡して、連続最高益となった前期から今期は3期ぶりに減益となる見込み。日経平均を構成する225社の当期利益予想の合計は27兆7千億円で前期実績から1兆8千億円減少する。これを1株当たり利益(EPS)にすると今期予想(加重平均ベース)は1640円程度になる。前期実績は1760円程度だから、6%強の減益予想だ。

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僕たちが「日経平均3万円への道」を打ち出した昨年の秋、僕は今期予想EPSを1770円と見積もった。そのEPSをPER17倍(過去平均+1標準偏差)まで評価すれば、

1770 × 17 = 30,090

で日経平均は3万円に届く、という見立てであった。前期実績1760円だからEPS1770円という予想は、前期のうちにほぼ届いてしまっていたのである。ただ、それがわかったのは減益予想となっている今期になってから、というのがなんとも皮肉なところだ。皮肉と言えば、今期のスタートは見立ての正反対というのも皮肉である。昨年秋の見立ては今期業績1ケタ増益だったが、反対に1ケタ減益。PERの過去平均+1標準偏差ではなく、過去平均マイナス1標準偏差、というのが現状だ。

しかし、この「今期減益」というのを額面通り受け取るのは間違いである。

減少額の上位をみるとトップはソフトバンク、以下自動車。これらの企業は米国の減税で前期に大きく利益が出た銘柄、その反動減という特殊要因がある。5位の第一生命も前の期に57%増の3639億円と上場来最高益を出した反動。これも米国減税等前期に計上した一時的な利益がなくなる影響で減益を見込むが、実質的には増益になるとして増配に自社株買いを発表し株価は堅調だ。

225社中、減益は80社で全体の3分の1である。減益の合計額は3兆5千億円だが上位30社で3兆2千億円、上位10社で2兆5千億円と上位の減益に引っ張られている。

最終の当期利益は特別利益の剥落で減益だが、営業利益ベースでは増益だ。真水の稼ぐ力は高まっている。例えばトヨタは営業利益4%減の予想だが、為替相場の影響を除いた「真水」の値でみると実は5%の増益だったりする。販売台数の増加や「お家芸」の原価低減を見込んだ強めの数字になっている。当期純利益の減益幅が最大のソフトバンクも営業利益は増益予想だ(日経予想ベース)。

最終利益の減益を額面通り受け止めてはいけないというのは、こういう意味だ。そうは言っても、数字は数字。EPSは1640円程度に下がる。PERの拡大がなければ2万3000円程度がフェアバリュー。過去平均の15倍まで戻れば1月の高値を抜けて2万4000円台後半まで上昇するのはファンダメンタルズでじゅうぶん可能だが、問題はPERを引き上げるカタリストが乏しいことだ。

広木隆,ストラテジーレポート
(画像=マネックス証券)

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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