昨日の海外時間には、欧州株が全面安となる中円買いが強まってドル円は110円を再び割り込みました。その後NY時間には一旦110円台を回復する場面もありましたが、米長期金利が低下する中再び110円を割り込んでいます。昨日急落したトルコ・リラは、緊急利上げを実施したことで一昨日の海外時間の水準まで反発しています。

今後の見通し

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(画像=PIXTA)

昨日急落したトルコ・リラですが、昨晩緊急利上げ(後期流動性貸出金利を13.5%から16.5%に)を行って一旦トルコ安に歯止めがかかりました。しかし昨日引き上げた金利は、複数ある政策金利の中の事実上の上限金利のため実効性はあまりなく、為替市場への影響も限定的にとどまって、トルコ・リラは対ドル、対円とも一昨日から下落幅を反発した程度となっています。引き続き、米長期金利が反落していること、株式市場が軟調なこと、北朝鮮が再び態度を硬化させていると見られることなどから、円買いが出やすい環境となっていて、ドル円は4月後半からの安値圏である108円台半ば程度までの下落の可能性が高まっています。

一旦利食ったドル売りポジションを再度構築

一昨日作ったドル円111.00円でのドル売りポジションを110.00円で利食いました。その後戻り売りを待ちましたが、上値が重かったことからNY時間引け後に再び110.00円でドル売りポジションを作りました。110.20円に損切りを置いて、108円台での利食いを目指しています。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、各国株価が急落する中、米長期金利も低下して円買いとドル買いが優勢となりました。発表された独、ユーロ圏のPMIが弱かったこともあって、ユーロドルは1.1700付近まで、ユーロ円は128.40円台まで、ドル円は109.50円台まで下落しました。その後各国株価が下げ止まる中、米長期金利がやや反発すると、ドル円は109.90円台まで反発し、ユーロドルは1.1690台まで下落しました。この間ユーロ円は128.20円台まで下落幅を拡大しています。

NY時間にはいると、米長期金利は軟調に推移しましたがドル買いが優勢となって、ドル円は110.30円台まで上昇し、ユーロドルは1.1670台まで下落しました。この間ユーロ円は129.00円台まで上昇したあともみ合いとなっています。NY時間引けにかけては、米長期金利がやや低下したことからドル円は109.90円台まで下落し、ユーロドルは1.1700台まで上昇しました。

今日の予定

今日の海外時間には独・第1四半期GDP(確報値)、英・4月小売売上高指数、米・新規失業保険申請件数、米・4月中古住宅販売件数の発表があるほか、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp