昔懐かしい会津のお土産品「赤べこ」に、今再び注目が集められています。癒しの丸いフォルムにビビットな赤いカラーリング、特徴的な顔がゆらゆらと揺れるその姿が「かわいい!」と、女性を中心に人気となっています。

昔から今も変わらず多くの人を虜にしてしまう赤べこの不思議な魅力と、押さえておきたい会津の赤べこスポットを紹介します。

赤べこにまつわる伝説と歴史

Akabeko
(写真=PIXTA)

赤べこにまつわる伝説はいくつかありますが、誕生は柳津町の福満虚空蔵堂の建立がきっかけであったといわれています。807年、徳一大師と呼ばれる僧侶がこの堂を建立する際、その材料となる木材を運んだのが赤い牛で、完成前に石となり寺院の守り神になったといわれています。

もう一つの伝説が、1611年に会津地方を襲った大地震により堂が破壊され、その再建の最中不思議と赤牛の群れが訪れ、木材運搬の手伝いをしてくれたというものです。

この伝説に登場する赤牛を「赤べこ」と呼び、のちにお守りとして会津地方の人々に親しまれるようになりました。会津で疫病が流行った際には、赤べこを持っていた人が助かったという伝説も残っており、会津の人にとって赤べこは単なる民芸品ではなく「厄を払い福を呼ぶ人形」として愛されています。

赤べこ発祥の地とされ、多くの赤べこ伝説が残され語り継がれている柳津町では、町内のいたるところで赤べこの姿を見ることができます。昔から今もなお、会津の人々にとっては赤べこは大切な守り神なのです。

赤べこ人気再燃の裏側

時は流れ2018年、この会津の伝統民芸品が全国から注目を集めた裏側には、メディアと人気ファッションブランドの姿がありました。赤べこについてメディアが取り上げると、ネットで話題沸騰。その後、赤べこを販売するショップには問い合わせが殺到します。

また、人気ファッションブランド「BEAMS」では、福島とのコラボレーション商品を販売するプロジェクト「ふくしまものまっぷ」の第4弾として、2018年4月1日より赤べこの販売を開始。一般的な赤べこに加え、赤べこと起き上がり小法師が合体したおすわりタイプの赤べこも販売中です。

さらにカプセルトイとして「妄想工房」が企画・製作した赤べこ「ケルベコス」が登場。3つの頭のあるケルベロスのような赤べこは、ネットで大きな話題を呼びました。見ていると心が安らぐ不思議な赤べこの魅力に、子どもだけではなく大人からも反響を呼んでいます。

押さえておきたい赤べこスポット

Yanaidumachi
(写真=PIXTA)

赤べこ自体はBEAMSの東京店でも購入できますが、福島の空気の中で赤べこをたっぷり堪能したい、という人もいるでしょう。ここからは、実際に足を運んで見てみたい、福島にある赤べこスポットを紹介します。

●柳津町では街中に赤べこがいる
お土産品としての一般的な赤べこが販売されているのはもちろん、赤べこ発祥の地・柳津町では、赤べこの親子の姿を街中で見ることができます。赤べこの親子はお父さんが「福太郎」、お母さんが「満子」、子どもが「もうくん」と「あいちゃん」とそれぞれ名前もついており、町民からも愛されるマスコットとなっています。

柳津町では道の駅や観光スポットに赤べこ家族がいますので、赤べこファミリーを探しながら観光を楽しんでみましょう。

●赤べこ公園
会津若松市では、巨大な赤べこが遊具となった赤べこ公園が人気です。ダイナミックな赤べこの姿を見ると、子どもだけではなく大人も心が躍ります。ドライブの途中、ゆったりとした空気が流れる赤べこ公園で一休みしてみましょう。

●赤べこの絵付け体験
こちらも会津若松市にある「手作り体験広場番匠」では、赤べこ絵付け体験で自分だけの赤べこをつくることができます。色を塗ったり顔を描いたりしながら、赤べこへの愛をさらに深めてみましょう。

会津の自然となぜかマッチする赤べこのモニュメント。赤べこ伝説に思いを馳せつつ、ちょっと変わった赤べこを探しに福島を旅してみてはいかがでしょうか。

このコラムは2018年4月時点の情報をもとに制作したものであり、現時点において最新の情報ではない場合がありますので、あらかじめご了承ください。(提供:JIMOTOZINE)