平均寿命が長くなるにつれて、老後の過ごし方にも変化が生まれています。退職後も個人的に仕事を続けたり、趣味に没頭したりと、能動的に動く人が増えています。もちろん、老後の人生を楽しむためには現役時代から色々と準備をしておいたほうが良いのは言うまでもありません。そこで今回は、老後を楽しく過ごすためのコツを紹介します。

人生100年時代と言われる理由

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(写真= kudla/Shutterstock.com)

「人生100年時代」は、ロンドン・ビジネススクール経営学教授のリンダ・グラットン氏と、同経済学教授アンドリュー・スコット氏がその著書で述べたことがきっかけで日本でも広く言われるようになりました。これは、平均寿命が100歳を超える社会という意味の言葉です。同書によると、過去200年間、人の平均寿命は伸び続けており、2107年には主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きするとされています。

実際のところ、日本は世界有数の長寿国家であり、急速に進む高齢化社会に耐え得る未来の実現に向けて、さまざまな取り組みが必要です。政府は人生100年時代を見据えた経済・社会システムを実現するための政策検討を行うため、『人生100年時代構想会議』を開催し、最近では2018年5月16日に第7回目の構想会議が行われました。

2017年末に示された中間報告では、「幼児教育・高等教育の無償化」「待機児童の解消」「私立高校の授業料の実質無償化」「介護人材の処遇改善」などが記されています。

老後も働く人はどれくらいいるのか?

では、現時点で老後も働きたい人、実際に働いている人はどのぐらいいるのでしょうか?

内閣府が発表した「平成28年版高齢社会白書」によれば、60歳以上の高齢者に何歳ごろまで仕事をしたいかという問いに、28.9%の人が「働けるうちはいつまでも」と答え、次いで「65歳くらいまで」「70歳くらいまで」という回答がそれぞれ16.6%の割合となっていました。

実際に仕事をしている人の割合は、男性の場合、55〜59歳で89.7%、60〜64歳で72.7%、65歳〜69歳で49.0%となっており、多くの高齢者が仕事をしていることがわかります。また、女性の場合でも、55〜59歳で65.0%、60〜64歳で47.3%、65〜69歳で29.8%と、65歳を過ぎても3割近い人が就業しています。

また、現在仕事をしていない人でも、60〜64歳の人で3割、65〜69歳の人の中でも2割以上の人が、働くことを希望していることもあり、今後は老後も働く人の割合がますます増えていくと推測されます。

老後を楽しく過ごすための3つのコツ

このように、60歳以降はもはや余生ではなく、セカンドキャリアとして考えておく必要があると言えます。その長い老後を楽しく過ごすために必要になるものは何でしょうか?

1つ目は、老後も働くために必要なスキルを身につけておくことです。これまで大学を卒業してから60歳まで40年弱の勤労期間がありましたが、今後はさらにその期間が50年、60年と伸びていく可能性があります。そうすると、1つではなく、2つ、3つの仕事をする人が増えてくるでしょう。むしろ、同じ仕事を60年間するという人の方が珍しくなるかもしれません。そのため、現役時代から自分が他にやりたいこと、そのためのスキルを身につける努力をしておきましょう。

2つ目は、肉体的・精神的に健康であり続けることです。体の健康は意識している人が多いかもしれませんが、長寿化社会でより重要になるのは脳の健康でしょう。加齢による脳機能の低下を防ぐため、定期的な検査やトレーニング、適度なリラックスなど、体同様、しっかりケアする必要があります。

3つ目は、60歳以降でキャリアを変える場合の準備を早めにすることです。このために必要なものは、多様性に富んだ仕事上のネットワークです。今までと同じネットワークでは、今までと同じ情報しか入ってきません。違う職業の情報を知りたいのなら、多様な分野の人とネットワークを築いておくに越したことはないでしょう。実際、仕事の話というのは友人の友人からの紹介、という場合も多いものです。

セカンドライフに備えて、今から準備をしましょう

平均寿命が伸び続け、日本では100歳まで生きることが珍しくない時代になりつつあります。老後の生活が長くなることを悲観的に考える見方もありますが、逆に今までできなかったことをする時間が長くなると考えることもできます。充実したセカンドライフのため、是非現役時代から計画的に準備を始めておきましょう。(提供:マネーLife Style


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