保育所などの数が足りないことから起こる待機児童問題など、わが国ではまだまだ課題点が多いのが子育ての現場です。ただでさえ子どもが小さいうちは手がかかり、なかなか思うように時間を取ることができません。しかし、海を渡ったアメリカでは、そんな子育て世代の悩みに対してハイテクを駆使してさまざまな問題を解決しようとしています。そこで、子育てに役立つといわれている「ベビテック」について解説します。
ハイテク化されたベビー用品で子育てをサポート
ベビテック(Baby Tech)という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? 主にベビー用品とIoT(Internet of Things)を融合した製品のことを総称してこう呼ばれています。なお、ベビテクや、ベビーテック言う人もいます。アメリカのスタートアップ企業の多くは、あらゆるカテゴリーをIoT化しようとチャレンジしていますが、その中でも特に注目を浴びているのが「ベビテック」製品です。
「ベビテック」には、主に赤ちゃんの健康や食事、安全に関するものから、勉強や遊び、出産・妊娠という幅広いカテゴリーの製品が含まれています。2018年1月にラスベガスで開催された家電見本市「CES 2018」では、乳幼児向けの優れたテクノロジーを表彰する第3回「Baby Tech Awards 2018」が実施されました。優れたイノベーターに対して賞が贈られています。
体温から授乳管理、チャイルドシートなどあらゆる「ベビテック」製品が登場
・『TempTraq』
赤ちゃんの脇に専用のシールデバイスを貼り付け、Bluetoothで接続したスマホートフォンのアプリで最大48時間連続して子どもの体温をモニタリングすることが可能です。夜中など、急に赤ちゃんの具合が悪くなったとき、すぐには気がつきにくい健康状態も、「TempTraq」を利用することで正確な体温を確認することができます。
また、あらかじめ体温を設定しておくことで、それを超えるとアラートが鳴るように設定することも可能です。ベビーシッターに預けて仕事や外出しているときでも、スマートフォンでリアルタイムに体温の状態を確認することができます。
・『Sirona M with SensorSafe 2.0』
「Sirona M with SensorSafe 2.0」は、スマートフォンと連動したチャイルドシートで、生まれたてから約4年間使用可能です。胸部のクリップがスマートフォンと車両に同期されており、「車が動き出した」「車内にいない」「後部座席付近の温度が暑すぎたり、寒すぎたりする」といったときにアラートを出してくれます。
日本でも駐車場に置き去りにされた赤ちゃんの死亡事故の報告が後を絶ちません。しかし、「Sirona M with SensorSafe 2.0」は置き去り防止をするために開発されており、子どもが車両に放置されているときにも警告を発してくれます。
・『BlueSmart mia』
哺乳瓶の底部分に設置し、Wi-Fiを利用してスマートフォンのアプリに赤ちゃんが摂取したミルクの量や温度などの情報を送信します。情報を複数の人と共有できるデバイスです。ミルクの温度が熱すぎたり冷たすぎたりするときに警告を出してくれるほか、ミルクを飲ませるときの適切な角度も教えてくれます。また、牛乳の有効期限を知らせるアラートも出してくれるため、子育てを始めたばかりの不慣れな両親の心強い味方となってくれるでしょう。
・『ママのおなかの音メモリー』
妊娠中に赤ちゃんが聞く音をあらかじめ録音しておき、出産後に赤ちゃんがぐずり泣きしているときなどに聞かせて、落ち着かせることが期待できるアイテムです。妊娠中に子機を使っておなかの中の音や周囲の話し声など、赤ちゃんが聞いている環境音を約30秒×8回分録音して保存しておくことができます。録音した音を赤ちゃんに聞かせて、おなかにいたときのことを思い出させることで、リラックスさせる効果が期待できるでしょう。
日本でももうすぐ「ベビテック」のブームが訪れる?
上記で紹介したもののうち、最後に紹介したものは日本の株式会社タカラトミー<7867>から発売されている製品です。「ママのおなかの音メモリー」だけでなく、ベビーモニターや妊娠12週以降のおなかの中にいる赤ちゃんの心音を聞くことができる胎児超音波心音計なども大手ネット通販サイトで人気のアイテムとなっています。
日本は男女雇用機会均等法が施行して以降、女性の社会進出がめざましくなってきました。加えて、以前のように年功序列の給与体系ではなく、実績に基づいた評価基準・給与体系の企業が徐々に増えているとも言われています。長く不況が続いた日本では、企業の業績が最高益を更新したなどの喜ばしいニュースが流れても、給与が同じだけあがるかといえばおさえられている状況もあるのではないでしょうか。そのため、ダブルインカムで家計をやりくりする家庭も今後は増加していくことでしょう。その中で、ダブルインカムが子育てをするにあたり、自分たちの力だけではなかなかすべてを完結することはできないかもしれません。そんなとき、ベビテックのサポートグッズがあれば、きっと子育ての負担も少しは軽減するに違いないのではないでしょうか。
こうした下地もあり、日本でも「ベビテック」製品のブームがやってくることはそう遠い話ではないかもしれません。(提供:J.Score Style)
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