昨日の海外時間には、WSJ紙がパウエルFRB議長が今後毎回のFOMC後に記者会見を行うことを検討、と報じたことからタカ派的とされてドル買いが強まりました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日開催された米朝首脳会談では、交渉を始めた、という大きな第1歩を踏み出したことは確かですが、非核化などの問題で具体的な決定がほとんど行われなかったことから、想定された中でも最低限の内容だったと考えられます。ただし、当面の武力行使の可能性が大きく後退したことは確かで、その意味ではリスク回避の円買い要因が一つ弱まったと言えます。

NY時間にWSJ紙が「FRBのパウエル議長はFOMC後に隔回で行っている記者会見を毎回行うことを検討している」と報じ、市場はこの記事をFRBがタカ派的になっているのでは、と解釈してドル買いが強まりました。しかし実際にはより柔軟な対応を可能とするための措置と考えます。と言うのも、現在のFOMCでは事前に議長会見が予定されている会合が決まっていて、年内であれば6月、9月、12月に予定されています。金利の引き上げなど金融政策の変更を決定した場合は議長が会見で説明することが慣例となっていることから、緊急的な決定以外は議長会見のある会合のみで行われると市場が見ています。その為年内にあと3回の利上げであれば6月、9月、12月と考えられますが、2回、あるいは4回としようとした場合に、その時期が柔軟に決めにくい(できないわけではないが)という事情があります。それを毎回のFOMC後に会見を行えば、政策変更の時期をある程度自由に選べる、という利点が生まれます。

押し目でドル買い円売り

押し目買い目線でしたが、夕方に110.10円付近で下げ止まり、NY時間には110.15円付近で下げ止まったことから、底堅いと見て110.25円でドル買い円売りのポジションを作りました。110.00円割れに損切りラインを設定して上昇を待っています。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、東京時間にドル買いが強まった反動もあって全般的にドル売りが優勢となって、ドル円は110.20円台まで下落し、ユーロドルは1.1800台まで上昇しました。米朝首脳会談を終えたトランプ大統領が記者会見を始めましたが、北朝鮮の非核化などで具体的な内容が全く決まっていなかったことからリスク回避の動きがやや優勢となって、ドル円は110.10円付近まで下落幅を拡大しました。この間ユーロ円は130.20円台まで上昇したあと129.80円台まで下落しています。その後米長期金利と日経平均先物が上昇を始めると円売りが優勢となってドル円は110.40円台まで、ユーロ円は130.10円台まで上昇しました。

NY時間にはいると、日経平均先物がやや反落したことから円買いが優勢となって、ドル円は110.10円台まで、ユーロ円は129.80円台まで下落しました。午後にはいってWSJ紙が「FRBのパウエル議長はFOMC後に隔回で行っている記者会見を毎回行うことを検討している」と報じたことから、今後の利上げがより積極的になる可能性がある、との思惑でドル買いが強まって、ドル円は110.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.1730台まで、ユーロ円も129.50円台まで下落しました。

東京時間にはいってからは、日経平均が堅調に推移していることから円売りが優勢となっています。

今日の予定

今日の海外時間には米FOMCが開催され、0.25%の追加利上げの発表とパウエルFRB議長の会見があるほか、英・5月生産者/消費者/小売物価指数、ユーロ圏・4月鉱工業生産、ユーロ圏・第1四半期雇用者数、米・5月生産者物価指数の発表が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp