節税効果がある取引として人気のあるオペレーティング・リースですが、商品によって投資対象となる物件や契約条件などはさまざまです。そのため、どのオペレーティング・リース商品を選んだらいいのか迷うこともあるかもしれません。そこで今回は、オペレーティング・リースとはどのような商品であり、どのような点に気を付けて選べばいいか確認してみましょう。
オペレーティング・リースとは?
決算前になると「今年は利益が多くて税金も増えそうだ」という場合があります。そのような場合には、税務上の損金に計上できる生命保険など節税に役立つ商品は多くあります。今回紹介するオペレーティング・リースのスキームを用いた商品も注目が集まるところです。
オペレーティング・リースは、投資家などから集めた資金で航空機などの大型資産を購入し、エンドユーザーである航空会社などの企業に貸し付け、そこから得られた利益を投資家に分配する仕組みを指します。
オペレーティング・リースの具体的な仕組みとしては、投資家を「匿名組合員」、リース会社がつくるSPC(特別目的会社)を「営業者」として匿名組合契約を締結します。投資家からの出資と金融機関からの借入金でSPCが資産を購入し、資産を活用したい会社にリースします。
オペレーティング・リースのメリット、デメリット
オペレーディング・リースにはそれぞれメリットとデメリットがあります。それぞれをよく理解したうえで検討することが大切です。
●オペレーティング・リースのメリット
オペレーティング・リースの最大のメリットは、匿名組合で発生した赤字を投資家側の決算で損金に算入できる点です。一般的なオペレーティング・リース商品では、リース期間の前半に多額の減価償却費が計上され、匿名組合の損益がマイナスになるように設計されています。匿名組合の損失を投資家側の決算に取り込むことによって貸借対照表上、損を出して節税につなげるのです。
また、リース資産の終了時には資産が売却されて多額の利益が発生しますが、役員退職金など多額の費用を同じ決算期に計上すれば、大きな赤字を出さなくて済みます。こうした利益の平準化もオペレーティング・リースのメリットと言えます。
●オペレーティング・リースのデメリット
オペレーティング・リースでは長期にわたって固定的に投資し続けなければならないというデメリットがあります。これは、通常、オペレーティング・リースの匿名組合契約は途中で解約することが困難なことが理由です。
また、オペレーティング・リースは元本を保証した商品ではないため、リースの借り手の信用状況等によっては資金が回収できないリスクもあります。
オペレーティング・リースを選ぶポイントは?
以上のようなオペレーティング・リースの特徴を踏まえた上で、オペレーティング・リースを選ぶためのポイントを紹介しましょう。
●回収するのにリスクはないか
上述したように、オペレーティング・リースは元本が保証された取引ではありません。投資対象の資産には十分に収益性があるか分析するとともに、リースの借り手やリース会社の信用状況に問題がないか注意する必要があります。
●為替などの影響がないか
リース物件を使用するのが海外企業である場合、リース料が外貨建になると考えられます。また、金利水準によって借入金の利子負担も変わってきます。将来の為替や金利の相場も考慮してリース商品を選ぶ必要があります。
オペレーディング・リースはポイントをおさえて
オペレーティング・リースは商品によって投資対象やリース期間などが異なります。見るべきポイントはさまざまです。まずは資料請求して情報収集し、上述したようなポイントに留意しながら、複数の商品を比較検討するといいでしょう。(提供:企業オーナーonline)
【オススメ記事 企業オーナーonline】
・事業承継時の「自社株評価」どのような算定方法があるのか?
・不動産を活用し、事業承継をスムーズに進める方法とは?
・法人税の節税対策をご存知ですか?
・職場の「メンタルヘルス対策に関わる課題・悩みあり」が6割以上
・事業承継に備える経営者の一手 相続時精算課税制度